赤ちゃん、泣きますよね。
すやすや眠る赤ちゃんの隣で、静かに本を読む私…なんて、妊娠している頃にイメージしましたが(著者の経験)、ムリムリムリ!

なぜ泣くのか本人に聞いてみたいものですが、このブログでは赤ちゃんが泣くことにどんな意味があるのかを考えてみます。

赤ちゃんが泣くと親はストレスを感じる

赤ちゃんが泣くのは人間だけではなく、ヒトに近いチンパンジーも泣きます。ですけれども、チンパンジーの赤ちゃんの場合は、チンパンジー親と接触するとすぐに泣きやみます。

あなたの赤ちゃんはそうはいかないと思います。抱いてもさすっても、揺らしても泣き続けてこちらが泣きたくなることもあるのではないですか? (著者はありました)特に夜中に泣きやまないと、周りに迷惑がかかってしまうのではないかと気が気ではありませんよね。

赤ちゃんの泣き声を聞いたり泣き顔を見ることによって、親の交感神経が高まることが科学的にもわかっています(Mizugaki et al.,2015)。親の交感神経が高まる=動悸がしたり、胃腸の動きが悪くなったりします。つまりストレスが高まるということです。

ヒトの赤ちゃんは生後1〜2ヶ月頃の泣きのピーク時期には、一日に平均2時間くらいは泣きます。よく泣く子は一日合計5時間程度泣くそうです。2時間、5時間泣ける赤ちゃんの体力もすごいものですね。

今新生児で、泣いている赤ちゃんに参っている親御さん、ピークを過ぎればだんだん落ち着きますよ。先が見えると気が楽になりますよね。

泣くことはコミュニケーション

野生のヒトの赤ちゃんはいませんが、狩猟採集民やあまり工業化が進んでいない地域の赤ちゃんなどは泣く時間がすくないと言われています。
でもまったく泣かないわけではありませんし、チンパンジーの例にあるように、親が接触すればすぐに泣きやむということばかりでもなさそうです。

そうなると、泣く行為というのはヒトに特有の行為のようです。
心理学や神経科学では、赤ちゃんは泣くことによって、親とのコミュニケーションの機会を増やし、親子の関係を築こうとしているとしていると考えられています。

赤ちゃんが泣くと親は近づいていって、どうにか泣きやんでもらおうとしますよね? この一連の行為の流れをボウルビー(Bowlby)は、赤ちゃん自らが親を呼び寄せていると考えました。

なお、泣き声は赤ちゃんの状態を知る重要な手がかりになります。これまでの研究では、泣き声によって健康状態や発達の状況がわかることが示されています。泣き声は赤ちゃんの状態を知るための指標でもあるのです。

泣くことは言葉や関係性の発達に役立っている

赤ちゃんは産まれたすぐあとに母国語とそうではない言語を聞き分けていると言われていますが、それは泣き声にも現れているそうですよ(Mampe et al.,2009)。フランス人の赤ちゃんはフランス語のアクセント風に泣くそうです。おもしろいですよね。日本の赤ちゃんと聞き比べてみたいものです。

そして、泣き声の音域やメロディのバリエーションも半年くらいをかけてだんだんと広げていくそうです。

泣き声が複雑なメロディになるのが早い子ほど、早く言葉を話す傾向があるそうです。

そうならば、泣いている赤ちゃんは言葉のトレーニングをしてることになりますね。泣き声メロディが豊かな赤ちゃんは、認知機能の発達に強く関連している傾向があるそうなので、泣いているのも許せるというか、かわいく思えてきませんか。

赤ちゃんなりのメロディのなかで、親がそれを感じとって対応することによって、より親子のコミュニケーションが豊かになり、言語や社会性の発達が促進されていきます。

泣くことには、赤ちゃんの不快を表現するだけで泣く、ちゃんと発達を促すような意味があるようです。

まとめ

泣いている赤ちゃんは無駄に泣いているだけではなく、親(養育者)に自分の発達や状況を伝えていることがわかりました。同時に、さまざまなバリエーションの泣き声を習得していって、後の言葉の獲得につなげているという、幸先が良い行為であることもわかりました。

とはいえ、泣いている声を聞くだけで親は疲れてしまいますよね。

生後6ヶ月くらいまでの赤ちゃんは、1.5Hzのテンポで揺らしてあげると泣きやみやすいことがわかっています。そのときには…

  1. 股関節をスクワット姿勢に開いて
  2. たて抱っこ
  3. 身体をなるべくくっつける

とよいようです。

スリングやへこおびなど、布製抱っこ紐はこの条件が整いやすいです。
ぜひ、スリングへこおびで抱っこして試してみてくださいね。

泣きやませる方法については、こちらのページで詳しく解説しています。困ったら読んでみてください。