ベビーラップ初心者におすすめ! シートを作らずリュックサック・キャリー!

ラップのおんぶ初心者が一番苦労するのがシート作りです。特に赤ちゃんが小柄なうちは、お尻に手が届かなくて大変…。でも、シートを作らずとも安全におんぶする方法があります。これからラップのおんぶをしてみたい方も、チャレンジしたら難しくて悩んでいた方必見です!

1. ベビーラップのミドルマークを赤ちゃんの背骨に合わせ、背中に乗せる。


これまで北極しろくま堂ではベビーラップの布を赤ちゃんの肩まで覆っておんぶするようにお伝えしてきました。しかしながら、首がすわっている月齢であれば、トップレールが赤ちゃんの脇の下を通っていても安全性に問題はないことがわかりました。(ただし、肩まで覆った方が密着感と安定感は高くなります。)
この場合、ラップの布幅の上側3分の1にギャザーを寄せ、赤ちゃんの脇の下を通すようにしてください。


2. 片手で両方のテールをしっかり持ち、もう片方の手で赤ちゃんのお尻を支える。

3. 背中に手を回してボトムレールを引き、赤ちゃんの脚の間の布をピンと張る。

4. 片方のテールを膝にはさみ、もう片方のテールの肩の部分にギャザーを寄せる。ここでねじりを加えてもOK。

5. テールを脇の下から背中に回す。

6. 赤ちゃんの膝の裏側に布を通す。この時、ボトムレールの布をテールで挟み込む。

7. レールは赤ちゃんの膝下を通って前へ。

8. 反対側も同じようにおこなう。

9. テールを前で結ぶ。(短いサイズの時は腰で、長いサイズの時はチベタンで)

ポイントはボトムレームにかなり余裕をもたせておくことと、常にいずれかの手でボトムレールを引っ張っておくこと。赤ちゃんの脚の間に長めに垂らしたボトムレールをテールで挟むようにしてシートの代わりにします。ボトムレールに余裕がないと挟んだ布がはずれやすくなってしまうので要注意です。ただし万が一布が外れてしまっても、赤ちゃんの脚の間でテールがクロスしているので落下してしまうことのないようになっています。

この方法は、海外では”seatless ruck sack carry” “ ruck sack carry with a pinned seat”などと表現されるようです。

ハードルが高い印象があるベビーラップのバックキャリーですが、まずはシートなしリュックサックから始めてみてはいかがでしょうか?

Babywearingでママといちご狩りへ!

静岡県東部にある、伊豆の国市江間のいちご狩りセンター。
この日いちご狩りにやってきたのは、スリングやベビーラップで赤ちゃんをだっこ&おんぶするママと赤ちゃん8組。

とても楽しそうな集まりがあると聞いて、北極しろくま堂の店主・園田も一緒にいちご狩りに参加してきました!

とても風の強い日でしたが、みなさん車から降りるとお子さんをさっとベビーラップやスリングに包み、ハウスの中へ。暖かなハウスの中には甘いいちごの香りがふわん!

だっこ&おんぶでママと一緒にお子さんも。いちご狩りスタートです。


-皆さんはどんなきっかけで集まられたんですか?

参加者:地元で開催されたむすビバさん(※1)のベビーウェアリング講座に参加したことをきっかけに知り合いました。同じ講座に参加するママ同士だから興味を持つことが似ているのか、後からスイミングとかベビーダンスや遊びの広場とか他の場所でもご一緒してたことに気づいたりして(笑) やっぱりだっこやおんぶすることに関連していますね。

-ベビーウェアリングの講座をきっかけに知り合ったママたちなんですね。どんなきっかけで布製抱っこ紐を使い始めたのでしょうか? 最初は一般的なSSC(成形抱っこひも)で抱っこ生活を始めたというママに聞いてみました。

参加者:最初は腰ベルトが付いているタイプの抱っこひもを購入して使い始めました。抱っこは疑問も心配もなく出来ていたのですが、首ががすわっておんぶするようになるとなんだかおんぶが不安定な感じがして……。それで他の方法を探し始めました。
ベビーダンスでご一緒のママからベビーウェアリングのお話を聞いて、講座に参加して出会ったのがへこおびやベビーラップでした。難しそうに感じたのですが、『巻き巻き会(ベビーラップの練習会)』で試したところ、とても心地よくて、赤ちゃんも私も安心できるおんぶになった経験から、本格的にベビーウェアリングにはまりました。へこおびやラップの密着感はたまらないです。

また、ベビーウェアリングの講座に繰り返し参加したり、交流会で巻き方の練習をしたりということを重ねていくうちに、ベビーウェアリングだけではなく、そこから育児のいろんな想いに共感してくれるたくさんのママに出会えたことが大きかったと思います。興味を持つことが似ていたし、みんなベビーウェアリングでフットワークが軽いので、いろんな繋がりが広がって子育てがさらに楽しいものになりました。そうするとさらにもっと新しい巻き方とか、軽く感じるようにとか工夫したくなるのもベビーウェアリングならではなのかなと思います。

-例えば、その軽いフットワークでどんな風に楽しんでいらっしゃるのでしょうか?

参加者:いちご狩りのほかにも、私たちはベビーウェアリングピクニックと呼んでいますが、公園や自然の中にランチを持って集まったりもしています。

お日様の下で、芝生の上に子供を寝転がらせて、他のママといろんな話をしながらお昼を食べたり、ベビーラップやへこおびの練習をしたり……。思いついたママが言い出して、タイミングの合う人が参加してという形で無理なく楽しんでいます。

最初は抱っこやおんぶしていた子も、もう自分ですたすたと歩くようになって。お互いの子どもの成長を感じあえるのもとても励みになります。


もともとアクティブな方が多く、いろんなところへお出かけされていたということですが、赤ちゃんを身にまとうベビーウェアリングの身軽さ・楽しさも加わり、さらに子育ての毎日を楽しんでいらっしゃるお話をたくさん伺うことができました。
 

赤ちゃんと一緒に海外旅行を楽しんだお話をしてくださったママからは、荷物を小さくするために様々検討した結果、ラップとスリングがとても役立ったという経験談をお話していただきました。ベースサイズ+ショートサイズの2枚のラップではなく、ベースサイズのラップとリングスリングをご持参されたそうです。
海外旅行では長時間抱っこやおんぶを続ける場面が多いため、赤ちゃんをしっかりホールドするダブルクロスの巻き方が多かったとのお話でした。
日本にはたくさんの抱っこひもがあります。必要に応じて、適切なものが使えるようになると便利ですね。

べビーウェアリングは布などのシンプルな道具を使って赤ちゃんを身にまとうようにして抱っこやおんぶをすることですが、その道具のシンプルさから、移動のための抱っこやおんぶだけでなくママと赤ちゃんの日々の生活やその過ごし方に密接にかかわっている印象を受けました。

いちご狩りに同行されていたむすビバの河嶋さんにもお話を伺いました。


河嶋:静岡県東部でベビーウェアリング講座を開催している、むすビバの河嶋のぶえです。
いちご狩りもベビーウェアリングピクニックもむすビバの講座ではなく、ママたちの毎日の育児に溶け込んだ時間の過ごし方で、今回は私もご一緒させていただいた一参加者です。
講座に参加されたママたちの間でこういうコミュニティが生まれるのはとても自然で、素敵なことだと思っています。

普段はスリングの装着方法やへこおび・ベビーラップの巻き方などを中心に講座を開催していますが、むすビバの活動で目指しているものはベビーウェアリングの技術の習得ではなく、ママと赤ちゃんの生活があって、その中にある抱っこやおんぶのお手伝いをすることです。
もし苦しいのであれば楽になるように、また、抱っこやおんぶだからこそ赤ちゃんと一緒にこんな風に時間が過ごせるんだよ、と、むすビバからママたちへ、ママたちからママたちへ、一緒に楽しむ場であれたらと考えています。


ベビーウェアリングで親子が一緒に季節のイベントを楽しむことで、同じものを見て、感じることができますね。

ベビーウェアリングを通じて、地域のお母さんたちが子育てを楽しめる場が増えていくとうれしいなと思います。

江間いちご狩りセンター(静岡県伊豆の国市)
http://ema-ichigo.com/

講師:河嶋のぶえ(NPO法人だっことおんぶの研究所 ベビーウェアリングコンシェルジュ、ふじのくに防災士、赤十字幼児安全法支援員)
静岡県東部を中心に活動。三島市にてベビーウェアリング講座を定期開催他、臨時講座や訪問相談など。

ホームページ:http://www.musubiva.net/
Facebook:https://www.facebook.com/musubi.va

次号予告

へこおびおんぶ リュック式チベタンフィニッシュをもっと快適に!
チベタンフィニッシュのおんぶは、胸が目立ちにくく高い位置がキープできるのでバッテンに比べ人気を集めている方法です。でも、肩の部分の布が広がらないので食い込んで痛い…というお声も。身近にある道具を使ってその解決法をご紹介します!

編集後記

2月が逃げるように過ぎて行き、気がつけば3月も1週間が終わってしまおうとしています。みなさまお元気でお過ごしでしょうか?
さて今回はベビーラップを使ったリュックサックキャリーの方法をご紹介しました。ベビーラップは世界中に様々な方法があり、情報がアップデートされていますので、新たな方法を知るたびなるほどと思うばかりです。
布製の抱っこひもは、最初の1回でパーフェクトに装着できるという人はまずいません。2回、3回、5回、10回と人によって回数は違いますが、練習を重ねるたびに気づきがあって上手になります。頭ではなく体で覚えるという感じです。そしてできるようになると、それまでできなかったことが嘘のようにスムーズに使えるようになりますし、簡単には忘れません。そんな特徴を「ベビーウェアリングは自転車と同じ」と表現したスタッフが過去にいたそうです。その言葉を聞いた時、まさにその通り!と思いました。うまくいかなくて転んでも、もう1回やったらうまくいくかもしれないし、やっぱり難しいと思ったらぜひ、北極しろくま堂カスタマーセンターまでお問い合わせください。みなさまの練習にお付き合いいたします!
SHIROKUMA mail editor: MK②

EDITORS
Producer Masayo Sonoda
Creative Director Mai Katsumi
Writer Mai Katsumi, Masahiko Hirano
Copy Writer Mai Katsumi, Masahiko Hirano
Photographer Yasuko Mochizuki, Yoko Fujimoto, Keiko Kubota
Illustration 823design Hatsumi Tonegawa
Web Designer Nobue Kawashima