【特集1】へこおびの使い方バリエーションをご紹介!~抱っこ編 第2弾~

コンパクトで持ち運びにも便利なへこおび。ただ、説明書の方法だけだといくつか弱点がありました。

弱点1:抱っこしてからサイズ調節ができない…
弱点2:長い布が床についてしまうので外出先では装着できない…

今日はそんな弱点を克服する裏ワザを2 つご紹介します。
この記事の第1弾(前半)はこちら

へこおびでフロント・クロス・キャリー(FCC)

フロント・クロス・キャリー(FCC)はベビーラップで使われる巻き方ですが、へこおびでも同じことができます。
抱き入れ後にもサイズ調整ができるので便利です。

1.真ん中のタグを背中の中心、背骨のあたりに当てます。

左側の布を右肩にかけます。(左右逆でも構いません。)

3.右側の布を左肩にかけます。

  1. 背中で結ぶ前に両方の布が交差している位置(=赤ちゃんが座る位置)を確認します。
    抱き入れた時におでこにキスができる高さに調節します。

背中で交差した布をおなかの下で結びます。この段階では一度仮結びの状態でOK です。

6.赤ちゃんを抱き入れます。布を広げて赤ちゃんのお尻から背中全体を覆います。

7.おなかで結んだ布を解き、背中で布を一度下方向に引いてから、前に向かって引いて、密着度を調整します。

9.おなかの下でもう一度結んで完成です。ダブルノット(本結び)をしてから蝶結びをするとゆるみや万が一解けてしまうなどの心配がありません。

この結び方はポーチ(赤ちゃんを抱き入れる部分の大きさを最後に調節できることが特徴です。
抱き終わった後もおなかの結び目を解けばポーチを緩めることができるので、へこおびをしたまま授乳することも可能です。
抱き直す時は、布を片方ずつ引いてもう一度しっかり密着するように調節してください。

へこおびを八の字でまき直し

へこおびを一度ほどいてしまうと最初から巻き直すのは面倒…、布が床につくので外出先では使いづらいというお悩みを解消するアイデアです。

まずはご自宅でベストサイズに抱き入れてしまえば、外出先ではサイズ調整や布が床につくことを気にせずに抱きなおすことができます。

1.まずは一度説明書通りの方法で後ろ結びの抱っこをします。

2.後ろの結び目をほどかず、肩から布を下ろして赤ちゃんを抱き下ろします。

3.そのままへこおびを脱ぎます。

4.脱いだへこおびを広げると1 つの輪になっています。

5.結び目を後ろにして体に輪を通します。

6.右側のおびを左側のおびの上に交差します。

7.
もう一度右側に来たおびを左側のおびの上に交差します。
輪が2 つ(8 の字)ができました。
それぞれの輪をA とB とします。

8.A の輪の中に頭を通します。

9.B の輪の中に両腕を通します。

10.すると、赤ちゃんを抱き入れる前の、へこおびの装着後の状態になります。

11.ポーチ(赤ちゃんを抱き入れる部分)を整えたら、いつもと同じように抱き入れて完成です。

このふたつの方法をマスターすれば、家の中でも外出先でももっとへこおびが活躍すること間違いなしですね。第1弾の特集とあわせてぜひお試しください!


【特集2】Second Flemish Babywearing Conference Report

2017 年3 月10 日〜11 日にベルギーのアントワープで開催されたFlemishBabywearing Conference に北極しろくま堂スタッフのM.K が参加してきました。その様子をレポートします。

まず“Flemish”というのは“フランダース/フランドル地方”のことで、ベルギーの北半分の地域のことを指します。あのフランダースの犬で有名な教会も近くにありました。

Flemish Babywearing Conference が開催されるのはこれが2 回目。
会場はヨーロッパの雰囲気ただようすてきなホテルでした。

ヨーロッパを中心に100 名前後の方が参加していたようです。
(写真下 レクチャールームの様子)

プログラムは午前中2 コマ、午後2 コマで1 コマあたりが90 分。
それぞれのコマに講義が1 つ、ワークショップが2〜3 つあって、参加者は興味のあるレクチャーを選んで参加します。

1 日目は講義を3 つ、ワークショップを1 つ受けました。
股関節形成異常の子のためのベビーウェアリングを受けましたが、器具をつけていても股間節をM字の理想的な位置に保つという点は共通である、とのことでした。

またアジアの手織り産業を守るための講義は、織物を通して世界の貧困等の問題を垣間見ることができ興味深かったです。機械に比べると手織りは時間もかかりますし、品質を一定に保つのが難しくなりますが、機械にはない味わいがあります。こういった商品を選ぶことでインドの織物産業を守る活動に携わろうとする方々がいることを知りました。

初めて手織りのベビーラップを試着しましたが、思ったよりもやわらか、ただ厚手なので握力が必要です(商品によって異なるかとは思います)。

2 日目は講義1 つ、ワークショップ3 つを受けました。

もっとも興味深かったのはClub foot(先天性内反足)の子のためのベビーウェアリングでした。(写真:Club foot 治療用の器具をはめている赤ちゃん人形。このまま抱っこひもで抱っこします。)足が生まれつきゴルフクラブのような形(尖足・内反・内転位)になっていることをこう呼ぶそうです。日本に比べヨーロッパの方が症例数は多い(それでも全体としては少ない)とのことでした。専用のギブスやバーをつけた靴を使って治療します。受講生はベビーウェアリング・コンサルタントの他に、看護師や助産師が多く、活発に質問が出ていました。

ワークショップで私が北極しろくま堂のラップを使って練習していると、みなさんから声をかけられ、試しに使ってみたいと言っていただきました。

みなさんの感想でいちばん多かったのが「ソフト!」ということ。
引き締めもしやすく、軽いから特に夏にいいねとのことでした。高く評価いただいてうれしかったです。

また、ベビーラップやスリングの他に、ソフト・ストラクチャー・キャリア(SSC)を見かけることも多かったです。
参加者とのお話の中でも、「SSC をユーザーさんに勧めることについてどう思うか」などの話題が上がっており、スリングやベビーラップだけに限定せずにベビーウェアリングのハードルを少し低くして親しみをもってもらおうとしているのかな、という印象でした。

ベンダールームの様子。どのブランドも色とりどりの抱っこひもが並びます。

試着用抱っこひもコーナー。日本では見かけないブランドのものもたくさんありました。

ちなみにベルギー滞在中、市街地で抱っこひもを使っている人はたった3 人しか見かけませんでした。ベビーカーの人の方が多く見かけましたが、それでも日本に比べたらずっと少ないです。
きっとヨーロッパの方が日本に来たら、街を行くお母さん・お父さんがかなりの率で抱っこひもを使っていることにびっくりされるのではないでしょうか。

初めての海外のカンファレンス参加でしたが、収穫あり、反省あり、濃厚な2 日間でした。今後の活動に生かして参ります。

ランチタイムのサンドイッチとおやつタイムのカップケーキ。
サンドイッチは種類がいろいろあってたのしかったです!

こちらのFacebook ページでもカンファレンスの様子が紹介されています。ぜひごらんください。
https://www.facebook.com/Flemish-Babywearing-Conference-289692207889435/


次号予告

Wrap you?の使い方解説第4弾 ロビンズ・ヒップ・キャリー

ベビーラップを使って腰抱きをする方法をご紹介します。説明書やホームページではまだご紹介していない方法です。引き締めも簡単で肩周りも楽ちん。安定感も抜群です。

※次号メルマガは5月10日水曜日の発行です。


編集後記

新しい年度が始まりました。メールマガジン読者の方の中には、北極しろくま堂の抱っこひもやおんぶひもで育てたお子様が今年小学校にご入学、という方もいらっしゃるのではないでしょうか。
今月のメルマガ特集でご紹介した、八の字を作ってへこおびを巻き直す方法、実はユーザーさんからいただいたアイデアです。メルマガでこうして紹介することをご快諾いただき、ありがとうございます。スタッフみんな目からウロコ!思いつきもしなかったアイデアでした。やはり毎日使っていらっしゃるユーザーさんのお声とアイデアはすばらしいですね。
読者のみなさまの中にも、「こんなアイデアあるよ!」というものがございましたら、ぜひ北極しろくま堂カスタマーセンターまでお寄せくださいませ。
SHIROKUMA mail editor: MK②

EDITORS
Producer Masayo Sonoda
Creative Director Mai Katsumi
Writer Mai Katsumi, Masahiko Hirano
Copy Writer Mai Katsumi, Masahiko Hirano
Photographer Yasuko Mochizuki, Yoko Fujimoto, Keiko Kubota
Illustration 823design Hatsumi Tonegawa
Web Designer Nobue Kawashima