くびが座って、腰がすわってやっとおんぶができそうなのに、おんぶすると全力拒否してくる赤ちゃんがいます。ほんとうにいるんです! この記事では、おんぶを嫌がる理由と対処法を徹底解説します。
おんぶができると赤ちゃんの世界がひろがるし、家事も買い物もはかどってめっちゃ便利なんです。

赤ちゃんがおんぶを嫌がるのなぜ?

赤ちゃんが怖がっているばあい

おんぶ紐のなかで赤ちゃんの体が安定せずにゆらゆら動く状態だと、赤ちゃんは落ちることはないまでも不安定さを感じているでしょう。ジェットコースターの安全ベルトなどがゆるくて、コースターが動く度に身体があっちこっちいってしまうと怖いですよね(大丈夫かな、落ちちゃわないかな)。
特におんぶが始めてであれば、しっかりホールドされているほうが安心できます。

背中を押してくるばあい

赤ちゃんが親御さんの背中を押してくることがあります。これは嫌がっているのではなく、遊んでいることが多いです。赤ちゃんを床にうつ伏せさせると、こんなポーズをとりませんか?

特に「昔ながらのおんぶひも」など、前傾姿勢でおんぶするときに、赤ちゃんが背中でこのポーズをとろうとすることがあります。赤ちゃんは自分の体でいろいろできるようになることが楽しいのですね! 親の背中も床も、赤ちゃんにとっては遊べる場所です。
これは「おんぶを嫌がっている」のではなく、むしろ楽しんでいます。でも親としては背中でこんなポーズをとられてしまうと安定しないので怖いですよね。
そんなときには、パートナーに手伝ってもらって赤ちゃんを支えてもらい、いちどおんぶ紐をしばるところまでやってしまうとよいでしょう。赤ちゃんも「パパ(ママ)の背中にのったら、こんどはこんなに高いところにきた!」と喜んで、次からは協力してくれることでしょう。

どんなおんぶなら嫌がらないの? 段階別のおんぶレッスン

まずはほんとうにおんぶが嫌いなのか、確認してみるのもよいかもしれません。うつぶせ(腹ばい)が嫌いな子はおんぶも嫌うことがあります。

○背中に載せてみる
大人2名以上がいるときにやってみましょう。
おっぱいやミルクを飲んだばかりだと胃が圧迫されてはき戻しすることがあるので気を付けてくださいね。

パパとママでやってみましょう。
(1) パパがお布団の上や周りに家具がないカーペットの上などでよつばいになり、ママが赤ちゃんをパパの背中に載せてみましょう。最初はカエルや亀のおんぶみたいな状態でよいです。
(2) 少し慣れてきたら、パパは後ろ手で赤ちゃんのお尻を支えながら徐々に上半身を起こしてみましょう(膝立ち)。ママは赤ちゃんの背中をパパの背中に押しつけながら支えます。
(3) おぶう人を交代してみましょう。

ここまでやってみて、赤ちゃんも楽しそうなら大丈夫です。

○おんぶ紐の使い方
お手持ちのおんぶ紐やおんぶができる抱っこひもでやってみてはいかがでしょうか。いきなり赤ちゃんを紐でおんぶするのが怖ければ、クッションや座布団を赤ちゃんにみたてて、まずは動作を確認してみるといいですよ。

また、抱っこひもの種類によっては、くびが座ってからおんぶができるもの腰がすわってからおんぶができるものがあるので、取り扱い説明書で確認しましょう。

おんぶ紐によってくびすわり / 腰すわりと開始時期が違うのはなぜ?

これはおんぶ紐の構造の違いによって、赤ちゃんのどこを支えているかがポイントです。日本のおんぶの特徴は「赤ちゃんの腕が自由になって、大人と同じものが見える」ことです。高い位置で、脇の下を支えます。
一方、欧米のおんぶはアフリカのback carryがお手本になっており、親のお尻(腰)の上に座る状態です。これは骨盤が前傾してお尻が大きいという前提があります。その状態を道具で実現しているので、高い位置でおんぶするのは難しくなります。この場合は赤ちゃんの上半身を支えるものがないので、腰がすわっておすわりできた状態でないと使えないのです。詳しくはこちらの記事を読んでくださいね。

子どもの世界がひろがるおんぶ

『すくすく子育て』のだっこおんぶ特集でも先生が解説していたように、おんぶは赤ちゃんの視界が一気に広がり、大人がやっていることを眺められるチャンスです。親と赤ちゃんの世界をひとつにして、共通の認識(話題)をつくることもできます。

同時におんぶによって大人も両手があくことで、自分のやりたいことがやりやすくなり、ストレスが解消されるでしょう。

ぜひ北極しろくま堂のおんぶひもを使ってみてください。時間も子育てもサクッと回り始めますよ。

おんぶは赤ちゃんを満足させながら、親も多くの用事や感情を処理できる合理的な方法だと思います。
え? 感情って? ーーそうですね、子どもに顔を見られたくないこともありますよね :-)

 

 

編集後記

最近、赤ちゃんを抱っこやおんぶする(babywearing ベビーウェアリング)効果についてまとめた論文が発表されました。特に生理的な影響についてレビューしています。
赤ちゃんを抱っこやおんぶするのは、どうやら移動のためだけではなさそうです。人類学や考古学の知見では、狩猟採集民の移動では長距離はまれで、数百メートルの地点を季節に応じて転々としていたというようなことがわかっているそうです。そうなると、抱っこやおんぶをすることは歩けない赤ちゃんを移動させるというよりも、心身共に健康に育てることに役立っていたのではないかという推測も成り立ちそうです。
次号ではこの論文をご紹介します。

EDITORS
Producer Masayo Sonoda
Creative Director Mai Okai
Writer Mai Katsumi, Masahiko Hirano
Copy Writer Mai Katsumi, Masahiko Hirano
Photographer Yasuko Mochizuki, Yoko Fujimoto, Keiko Kubota
Illustration 823design Hatsumi Tonegawa
Web Designer Nobue Kawashima