抱っこしようとすると赤ちゃんがあばれるー。そんな経験をしたママもこの記事を読んでいるかもしれません。だんだんと人の表情が読み取れている頃(※)の生後半年くらいから悩むママもいるようです。
今日は抱っこして暴れる赤ちゃんの理由と対処法を探ってみましょう。

暴れる理由

もちろん理由はひとつではないはず。赤ちゃんの気持ちになって理由を考えてみましょう。

暑い

赤ちゃんは体温調節が難しいのでたくさん着させて、お布団をかけて・・・と大事にしたいご家庭があることはわかります。ですけれども赤ちゃんも暑いものは暑い! 大人が適温だと思う室温では大人がきている服の枚数+1枚程度で良いのです。暑い時には赤ちゃんもどうしていいかわからないので、抱っこしても暴れます。抱かれても涼しくならないから。
冬でもたくさん暖房を使っているご家庭では着せすぎにご注意ください。
実家や義実家でたくさん着させられそうなときには、「産院であまり厚着させないほうがいいって言ってた」と話してみましょう。

抱かれている姿勢が気に入らない

この子は生まれた直後から横抱きを嫌がっていた、なんてエピソードを教えてくださる先輩ママは多いです。そう、赤ちゃんは自分の体が水平にされているのか、垂直なのかわかっています。揺れているのか静止しているのかも(スマホでいう加速度計的な?)わかっています。
赤ちゃんが好きなのはだっこされて歩いてもらうこと。そうするとリラックスします。その時に横抱きにしてみて嫌がるなら、首がすわっていなくてもしっかり首(頭部)を支えて縦抱っこしてみてください。「首座り前は横抱きにしなければいけない」というのはどうやら都市伝説のようですよ。科学的証拠がありません。
もちろん縦抱きより横方法が好きな赤ちゃんもいます。頭をしっかり支えながら、いろいろチャレンジしてみるといいですよ。

怖い

特に腕の力が強いパパに多い抱き方なのですが、赤ちゃんを自分の腹部にまたがせて、大きな手の平で後頭部〜首〜肩あたりを支えている状態。赤ちゃんの背中は支えられず体は宙に浮いています。・・・これは落ちそうな感じがして怖い。もしご自分がそういう抱き方をされたら、背中に力が入ってしまって全身が緊張しませんか。
赤ちゃんが横抱きや縦抱きに好みがあるということは、自分の姿勢がどのようになっているかを感じ取っていることがわかります。だから赤ちゃんも落とされそうで怖いと思っていて、暴れているのではないでしょうか。
抱っこする時には身体の面積の大きい分が触れるようにぴったりくっつくように抱いてあげると安心します。

暴れてしまう赤ちゃんへの対処法

抱っこで暴れてしまう赤ちゃん。筆者の子は不機嫌なときに無理矢理抱きしめようとすると暴れていました。まるで釣れたばかりの魚状態です(^^;)

巻いてみる

おひな巻きをご存じでしょうか。動画はyoutubeで「おひな巻き」と検索してみてください。(注:筆者は動画で紹介されるおひな巻き以外の装着物についてはお勧めも否定もできませんのでママご自身でご判断くださいませ)高低差のある授乳クッションを使用している動画が多いですが、あのようにネスト(巣)の状態を作って丸くしておいておくと赤ちゃんが落ち着くことが多いです。ネストに抱き下ろす動画はこちら↓

 


おひな巻きをしてママにお見せすると「こんなに小さくしていいんですか?」と驚かれるのですが、人は不安な時ほど小さくなりたいし、繊維に包まれると安心するという知見もあるのですよ。(「人は布に包まれると安心する」ブログ記事へ)

赤ちゃんは人肌に触れるとリラックスしますが、抱っこそのものがたいへんだとそれも難しいですよね。そういう場合は布で包むと良いのです。そして落ち着いたら、巻いた状態のままで抱き上げてみましょう。赤ちゃんの手足がバラバラにならないので抱きやすくなります。

包み込むように抱く

赤ちゃんは背中が丸くなっている時ほどリラックスします。
視線を合わせたくないときや背中を反らせようとする時には前向き抱っこがいいでしょう。赤ちゃんを前向きに抱き上げたら一瞬ママの体を反らせて赤ちゃんの体重を体にのせ、そのまま膝裏をフォローするようにして腕の中にすっぽりと座らせます。このとき、ママの腕は丸い浮き輪のようになっています。この前向き抱っこは以下の点にご注意ください。
・頭がしっかりママ側に寄りかかっている(赤ちゃん自身の筋肉や骨格で頭部を支えていない)
・膝は開いている(足の裏がくっつくのはOK)
人見知りが始まった赤ちゃんを抱っこする時にも、この前向き抱っこは使えますよ。
前向き抱っこが不安なら、腕のかたち(浮き輪状)は同じで横向きに抱っこしてもいいです。

前向き抱っこ
前向き抱っこは短期間で背中を丸くする姿勢を覚えさせるには適当。
浮き輪にスポッとはまったような姿勢。

歩いてみる

赤ちゃんは抱っこされたら歩いて欲しいと思っています。それも少し早足くらいの1分間に90回の優しい振動です。抱かれている+早足リズムは赤ちゃんをリラックスさせる効果があることがわかっています。ちらのページも参考になります。
寝かしつけには「これは動きが激しすぎる?」と思う方は、抱っこしたまま軽くスクワットすると良いでしょう。これもよくあるリラックス方法です。これならついでにママもシェイプアップできそうですよね!

 

注意ポイント

抱っこすると暴れてしまう赤ちゃんを抱っこする時の注意点を確認しましょう。

「あなたに関心があるよ」という態度をキープする

抱っこを嫌がる赤ちゃんの出現は生後3カ月くらいになってからだんだんと・・・。というパターンが多いようです。じゃあもう勝手にして! と言いたくなるかもしれませんが、赤ちゃんは抱かれるのが嫌でも無視されることは望んでいないと思います。むしろ一人になりたがる様子が赤ちゃんから感じ取られたら、目をあわせて笑ったりおもちゃを介して遊ぶようにしてみてください。そういったソフトな行為から「触れる」「抱かれる」というものに抵抗がなくなっていくことが期待できます。

座って抱っこでも問題ない

動き回らなくてもなんとか抱けるようなら、まずは座ってからの抱っこが良いでしょう。落下の危険が少なくなります。また抱っこ紐を使用する場合は横抱きにできるようなものは隙間が多いので寝板が不安定になりがちです。暴れる時期は密着できる抱っこ紐の方が転落などから守れます。
スリングやbabywrap系のものならば、脚を曲げた姿勢での前向き抱っこもできるので、顔を見せないで抱っこすることで抱っこの練習になります。だんだんと慣れてきたら対面した抱っこに変更していくことも可能です。

スリングでの前向き抱っこの方法はこちらでご紹介しています。

おわりに

いかがですか。抱くと暴れるからといって怖がって赤ちゃんとの接触を断ってしまうと、赤ちゃんとしては寂しい思いをします。一人が好きな赤ちゃんがいたら、それはそれであまり良い傾向とは言えませんので専門家にご相談すると良いかもしれません。
抱っこを嫌がるなら、遊びの中で触れあうことに向かっていくと良いでしょう。