スリングは2000年代初めから注目を集め始め、進化を続けているベビーグッズです。
北極しろくま堂は、日本におけるスリング普及に早くから取り組みました。スリングは、便利なだけでなく、赤ちゃんの成長発達や、愛着形成にも役立ちます。
一方で、子育てを始めたばかりのパパやママにとっては、
「スリングを使ってみたいけど種類が多すぎてどれを選んでいいか分からない」
「スリングと抱っこひもの違いを知りたい」
「安全性は大丈夫?」
「自分に使いこなせるか不安だ」など知りたいことが多いかと思います。
そこで今回は、スリングと一般的な抱っこ紐との違いやメリットを紹介します。
また、スリングの選び方についてもご案内します。
スリングの特徴
スリングは、幅広い布をたすきがけにかけて赤ちゃんを抱っこするベビーグッズです。
エルゴなどから販売されている「ベビーキャリー」に比べると、作りがシンプルな分、長期間使用できます。
また、いろいろな抱き方ができるので、赤ちゃんの月齢に合わせて抱き方を変えることができるほか、抱っこするママやパパの体への負担が少ないというメリットも。
日本では、2000年代初頭から知名度が上がりはじめ、北極しろくま堂はその先駆けとなりました。
スリングの便利さと種類
スリングとその他のキャリーグッズとの違いや、スリングの種類を解説します。
スリングの便利な点
スリングの便利な点には、以下のようなものがあります。
- 新生児期から3歳まで長期間使える
- 赤ちゃんのサイズに合わせて柔軟に調整できる
- 赤ちゃんが布にくるまれていること、抱っこする方と密着することから、より安心する
- たて抱き・カンガルー抱き・お腹を合わせる寄りそい抱きなど、いろいろな抱き方ができる
- 布1枚なので、コンパクトでかさばらず持ち運びに便利
- 授乳の際の目隠しなどにも使える
- おしゃれに見えて「かっこいい」と言われることが多い
- 1枚の布なので、汚れても洗濯が簡単
ほかのベリーキャリーとの違い
ベビーキャリーグッズは、月齢別に細かく分かれているものも多く、腰や肩に負担が集中するものも珍しくありません。
新生児は横抱きの抱っこひも、大きくなったらたて抱きもできる抱っこひもと買い替えた経験のある人も多いことでしょう。
また、ベルトやバックルが多く、腰骨が痛くなったり、調整が大変で装着にも時間がかかったりします。
それに比べて、スリングは肩から背中に布をかけるだけなので、装着がスムーズでサイズ調節が簡単です。
さらに、欧米初の抱っこ紐、「エルゴベビー」や「ベビービョルン」などのアイテムに比べると安価なのも魅力でしょう。また、クロスタイプの抱っこ紐には伸びる生地が使われていることもありますが、スリングの生地は伸びないので、赤ちゃんの姿勢が崩れません。
▲おおよそ1分で抱っこできます
スリングの種類
スリングには以下のような種類があります。
リングスリング
2つのリングで1枚布の長さを調節して使うスリング。上の動画で使っているスリングがリングスリングです。最も基本的なスリングで、テールを引いたりポーチの大きさを変えたりと、調節も自由自在。新生児から3歳まで長く使えます。
チューブ式スリング(リングなしスリング、パウチ)
二つ折りにした、たすきのような形状。ポケット状(袋状)になっているところに赤ちゃんを入れます。長さの調整はできないので家族で共有ができません。着脱はリングスリングより簡単です。日本小児整形外科学会が勧める「新生児の基本抱き」はできません(相当難しい)。
バックル式スリング
バックルで長さの調節などを行うスリング。リングより調節が簡単ですが、装着してからの調整はやりづらいです。日本小児整形外科学会が勧める「新生児の基本抱き」はできません(相当難しい)。
スリングの選び方のポイント
スリングを選ぶ際は、以下のようなことに注目しましょう。
SSマークがついているか
SSマークは日本ベビースリング協会が定めている安全基準をパスした製品につけられています。
通気性がよく、丈夫な布を利用しているか
日本では、しじら織りの布が人気です(→しじら織りとは?)。
販売者が抱っこについて詳しいか
スリングもどきも売られていることが…
パッドや中綿の有無
パッドがあった方が負担が軽いが、かさばりがち。メリット・デメリットをよく考えてみましょう。しろくま堂のスリングは「キュットミー!」が中綿あり、「キュットミー!823」は中綿なしです。
中古品や手作り品に対する考え方
スリングは、ネットオークションなどで手作りされたものも販売されています。しかし、安全面を考えるとベビーグッズを製造・販売しているメーカーのものがおすすめです。メルカリなどのネットフリマで中古品を購入するときには、こちらの注意点を読んで選ぶとよいでしょう。(「中古抱っこ紐の購入・使用の注意点(メルカリ・ラクマ・ヤフオク!など)」)
北極しろくま堂のスリングの魅力
北極しろくま堂のスリング「キュット ミー!」は、糸作りから縫製まですべて日本で行っています。
ですから、安全性はもちろんのこと日本の気候風土に合わせた作りです。
布は通気性がよく、赤ちゃんを優しく包み込んでくれるでしょう。
製品のラインナップは以下のとおりです。
キュット ミー!
肩パッドや中綿が入っていて、大人の肩や赤ちゃんのひざ裏、首を支えることができます。中綿は移動や取り外し可能。
キュット ミー!823
肩パッドあり、中綿なし。ベビースリングに慣れてきた人向け。初心者でももちろん使えるので、スタッフや来店でのご購入者はだいたいこちらを買われることが多いです。
ちなみに 823 は "Thinking of you" の文字から名付けました。
キュット ミー! Simple
肩パッドも中綿もない、一番シンプルなタイプ。上級者になると、これで短時間のおんぶも可能になります(現在、取り扱い休止中です)。
スリングに関するよくある質問
この項では、スリングに関するよくある質問を紹介します。
Q.スリングは赤ちゃんをしっかり固定できなさそう。危なくはないですか?
A. 正しい装着方法で赤ちゃんを抱っこすれば、安全です。赤ちゃんとは常に触れあった状態なので、むずがったり姿勢が不安定になるとすぐに気づけます。その都度、少し位置を調整してフィットするよう締め直してあげましょう。最初は説明書や動画を見て、装着方法に慣れていただきたいと思います。
Q.スリングの相場はどのくらいですか?
A. 北極しろくま堂では、1万円代から取りそろえています。
Q.スリングを手作りすることは可能でしょうか?
A. 手作りできますが、赤ちゃんを安全に抱っこし続けるためには、専門店が作ったものの方がおすすめです。北極しろくま堂では、強度があって滑りがよく、赤ちゃんが口にしても安全なナイロンリングと、薄さ・強さ・通気性を併せ持つしじら織りの布を主に使用してスリングを制作しています。
スリング用のリングだけの販売もしています(スリングリング一覧はこちら→)。
スリングリングは、布のボリュームとリングの径を考慮して選びます。ご購入の際は、商品詳細もお読みください。
Q.赤ちゃんが動いてスリングから飛び出さないか心配です。
A. 赤ちゃんがM字に脚を開いてしっかり座った姿勢になっていれば、飛び出す危険はありません(赤ちゃんの体勢やM字開脚・股関節脱臼についてはこちら)。月齢が進んでハイハイする時期になると、使用者(パパやママ)の身体を床に見立ててよじ登ろうとすることがあります。こうなると抱っこするのが多少大変になりますが、少し遊ぶなど相手をしてあげると治りやすいです。スリングを気に入ってくれる赤ちゃんも多く、スッと入ってくれることもあるでしょう。ただし、使用中に前屈してお辞儀をすることはできませんのでご注意ください。
Q.スリングはどうやってお手入れすればいいですか。
A. 綿製品で1枚の布でできているので、簡単にお洗濯できます。ネットに入れて洗濯機でまわしてください。洗剤は赤ちゃんに使って良いものをどうぞ。柔軟剤は不要です。
北極しろくま堂のキュット ミー!は赤ちゃんの頸や膝裏を包む中綿が取り外せます。外して洗うと早く乾きます。
まとめ
以上、スリングの特徴や便利さを紹介しました。
安全のために赤ちゃんの体をしっかりと固定するキャリーグッズが多い中、スリングのシンプルさは少し不安に思うかもしれません。
けれども、正しい使い方で赤ちゃんを抱っこすればとても安定していて、安全性も高いものです。
通常の抱っこのほか、寝かしつけにも最適なアイテムです。出産祝いなどにもおすすめですし、2つ目、3つ目のキャリーグッズとして利用してもいいでしょう。
リングスリングは体格差があっても使えるので、パパとママで同じ抱っこひもを使いたいという場合にもおすすめです。
スリングを通じた赤ちゃんの成長発達や愛着形成に関してはこちらの記事(「抱かれる子どもは良い子に育つ」)もぜひご参照ください。