執筆:園田正世(北極しろくま堂) 抱っこ・おんぶの専門店として2000年創業
初回公開:2021年4月15日 / 最終更新:2026年10月1日

この記事の要点

  • 生後4ヶ月頃からの対面抱っこ(縦抱き)の進め方 基本となるのは「寄り添い抱き」。首がすわってきた生後4ヶ月頃からの抱っこ方法として、赤ちゃんのお尻と太ももをしっかり支え、股関節に優しい「M字開脚姿勢」を保ちながらスリングへ入れる手順が解説されています。

  • 縦抱きのバリエーション 赤ちゃんを腰にまたがせる「腰抱き」と、あぐらをかかせた脚までポーチの中に入れてしまう「たて抱き」の方法が紹介されています。

  • スリングで横に抱く方法の紹介 「よこ抱き」と「寄り添い抱き」の方法が紹介されています。スリングで赤ちゃんを横に抱く場合は、股関節がきちんとM字に開脚した状態で入っていることが重要です。

ご注意:ここでご案内する抱っこのしかたは、3か月健診(地域によっては4か月健診)で赤ちゃんの股関節に異常がないと診断されたらお試しいただけるものです。 月齢が小さくてもどうしても横抱っこが好きな赤ちゃんや外を見ながら過ごすことが好きな赤ちゃんには「よこ抱き」や「ゆりかご抱き」もできます。その時には、使用者が以下のことに気をつけてください。

 

赤ちゃんの脚は決して伸ばしたり閉じたりすることなく、布団で寝ているときのように自然に開脚した状態を保つこと。「体育座り(三角座り)」のように脚を曲げて・膝を閉じる状態はNGです。
赤ちゃんの膝を使用者の身体で押さないこと。赤ちゃんは自分の意志で大腿部を動かすことができるようにします。使用者はスリングをかける肩を左右毎日かえるとなおよいでしょう。
ご不安な時には、赤ちゃんの股のあいだにタオルをはさんでください。赤ちゃんの脚が閉じるを防ぐことができます。また赤ちゃんの脚をひっぱるようなことはしないでくださいね。

 

寄り添い抱き(4ヶ月頃〜)

 

寄り添い抱きは大きくなっても(16キロ程度まで)ずっとお使いいただける抱っこのしかた。お尻が深くポーチに座り、膝から下がスリングの外にちゃんと出る抱っこ。しっかり深くまでスクワットをしているイメージです。
以下は新生児からの基本抱きとタイトルされていますが、寄り添い抱きも同様です。

①スリングを装着します(準備編参照)内側のレールはアンダーバストに沿うあたりにきています。自分の手を入れてポーチの底がおへそよりも高くなるように調節をしましょう。

 

②赤ちゃんをげっぷさせるときのようにリングとは反対側の肩に高めに抱き上げます。
リングとは反対側の手でおしりを支え、リング側の手をポーチの内側に差し入れます。

 

③赤ちゃんのおしりをリング側の手で支えなおし、リングと反対側の手で外側のレールの端をつかみ、赤ちゃんの肩甲骨から首のうしろ辺りまで引き上げ、布の外側から支えます。(布は肩甲骨から首のうしろ辺りまで。引き上げすぎない方がうまく抱っこできます。)

 

④少し前かがみになりなりながら布に赤ちゃんを預けます。赤ちゃんの脚が使用者の体をまたぐようにリング側の手でM字に開脚させます。膝裏にレールを当て、使用者の体を起こします。 (注:無理に脚を引っ張るのではなく、おしり〜もも〜膝裏までを撫でるように開脚させます。)

⑤赤ちゃんの首もとのレール(布端)を締めるために、しっかりと内側のテールを引きます。

⑥肩パッドを外側に広げ、背中の布も広げます。スリングは赤ちゃんの体重を肩から背中一体で支えます。そのため使用者の背中で布がひろがっているとより快適に抱っこできます。

 

 

※基本抱きと同じように、余った布がギャザーのように寄せられて、赤ちゃんの膝裏にたまっているようにします。赤ちゃんは浮き輪に座るように膝を高くしてポーチの中に座る姿勢になります。 慣れないうちは鏡をに見てお尻より膝が高い位置にきているか確認してみるといいですよ。

 

 

腰抱き(4ヶ月頃〜)

 

正面抱きではなく、赤ちゃんを腰にまたがせるようにする抱き方です。
赤ちゃんも抱っこする大人もお互いにしっくりくるようであれば、新生児でもお試しいただけます(身長がある場合)。また、帝王切開でお腹に赤ちゃんの体が当たると痛むかたや腰ベルト付きの抱っこ紐が辛い方にも、新生児からお試しいただけます。赤ちゃんの姿勢は新生児の基本抱きと変わりませんが、下ろしてくる位置をずらして腰骨の方で抱っこします。このとき、赤ちゃんは使用者の身体をまたぐように座っています。
最も適当なのは4か月ごろからです。

 

 

①寄り添い抱きや新生児の基本抱きと同じ方法でスリングを装着し、赤ちゃんを抱きいれます。
この時に使用者の脇腹に向かっておしりをおろします。

 

 

②赤ちゃんの片方の脚は使用者の背中のほうへまわします。赤ちゃんが使用者の身体を跨(また)ぐイメージです。
ポーチに入ったら、膝ウラにレール(余った布のギャザー)があたるようにし、深く座らせて下さい。

 

 

③赤ちゃんはお母さんの体を横から挟むように腰骨の上に座ります。テールを引いて、赤ちゃんを密着させてください。

 

 

たて抱き(4ヶ月頃〜)

 

足先まですっぽりとスリングの中に入る抱き方。最も適当なのは4か月ごろからです。赤ちゃんが脚をたたむことを嫌がったら、この抱き方は避けてください。

 

 

①寄り添い抱きと同じようにスリングを装着します。

 

②寄り添い抱きと同じように赤ちゃんを肩の上に抱きかかえます。
そこで赤ちゃんの足をあぐらを組むようにまとめながら、体全体をスリングの中におろしてゆきます。

 

③赤ちゃんはポーチの中に座ります。テールを引いて、赤ちゃんの上半身が密着するように全体を整えれば完成です。

 

赤ちゃんを抱っこした後に内側のレールがポケット状に持ち上がっているか確認しましょう。必ずおしりが一番低い位置にきます。脚はおしりより少し持ち上げた状態にしてください。 脚をたたむことを嫌がる赤ちゃんもいますし、また赤ちゃんの脚がお母さんの胃のあたりを押す感じになるのでこの抱き方が合わない方もいらっしゃいます。よく相談しながらお試しくださいね。

スリングのよこ抱き(4ヶ月頃〜)

 

赤ちゃんがスリングの中で横になった状態になる抱っこです。
大きな子でもスリングで寝てしまった時に起こさずにベッドや布団に降ろすことができるので便利です。
新生児は横抱きをすると窒素や股関節脱臼の危険があるため、生後4ヶ月くらいからを推奨しています。
赤ちゃんが抱かれている状態での負担が気になる方は、こちらの記事をお読みください。

4ヶ月に満たないけど横向きに抱っこしたいかたは、横浜の「Umiのいえ」さんが供出しているこちらの動画をごらんください。

 

4ヶ月以上のお子さまも基本的に上記の動画と同じですが、最初に布で巻く必要はありません。

①スリングを装着します(準備編参照)
内側のレールはアンダーバストに沿うあたりにあります。
自分の手を入れてポーチ中心部の底がおへその上1~2センチあたりにくるような深さになるように全体を調節しましょう。骨折した時に腕をつるような格好です。

 

②リングと反対側の手で赤ちゃんの脚をクロスさせて抱き上げます。横抱きの時には一瞬だけ片手で抱っこする必要があります。そのときは、赤ちゃんを使用者の身体にしっかりと寄り添わせてください。

③リング側の手でポーチを広げておしりから赤ちゃんを抱きかかえた腕ごとポーチに入れます。

リング側の手でスリングの布の上から赤ちゃんの頭と体を覆うように支え、リングと反対側の手をポーチの中からゆっくり抜きます。

④鏡などで全体の状態をチェック。頭が下がっているようなら、頭側のレールが持ち上がるようにテールを引きます。

体が大きくなってきたら、リングの下側から足を出してあげてください。いわゆる「お姫様抱っこ」の状態ですね。

 

赤ちゃんの頭まですっぽりと入れてしまうと顔が見えなくなり危険です。襟足あたりにレールがあたっている状態がいいでしょう。こうすると頭が安定し、赤ちゃんの視界を広げます。

ゆりかご抱き(4ヶ月頃〜)

 

ゆりかごの中にいるようにスリングの中で丸くなる抱き方です。
赤ちゃんの体がポーチに入りきらなくなる6か月ごろまで実践できます。身長が高い赤ちゃんは体全体が入らないこともあります。

 

 

①スリングを装着します。ゆりかご抱きの場合、内側のレールはトップバストに沿わせます。
外側のレールは赤ちゃんを入れやすいよう少し広めにしておきます。
ポーチ中心部の深さは赤ちゃんの大きさにあわせて抱っこする人のおへそのラインをめどに調節してください。

 

 

②赤ちゃんを頭がリング側になるよう抱きかかえ、おしりからポーチに下ろしてゆきます。
赤ちゃんの脚はあぐらを組むようにクロスします。

 

 

③赤ちゃんの体重を使用者に預けるようにしながら、ポーチを広げておしりから入れます。
赤ちゃんをポーチに入れるときには胸元に体重をのせる感じで、自分の上体をそらせます。
腕力だけで抱き上げるのは危険です。

 

 

④赤ちゃんの頭はリングの下にあります。テールの中心部~外側を引き、赤ちゃんがポーチの中に安定して入っているように全体を整えます。しっかり入っているときは両手を離しても安定感があります。

 

テールは内側から真ん中にかけて3回くらいにわけてひくようにします。
画像のように腕で赤ちゃんの姿勢を保ちながらあまった布を引けば、あとで赤ちゃんがポーチの中に沈んでしまうことを防げます。
ただし、テールを引きすぎると赤ちゃんのあぐらの形が崩れることもあるので確認しながら行ってください。

カンガルー抱き

 

カンガルーのように赤ちゃんが抱っこする人と同じ前を向いてポーチに座る抱っこのしかた。赤ちゃんの体が入りきらなくなったら卒業です。

 

吐き戻しやすい赤ちゃんは、体勢のせいもあってより戻しやすくなる抱き方です。
ミルクを飲んだ直後などはしばらく時間をあけてからお試しください。

①スリングを装着します。
内側のレールはアンダーバストに沿うあたりにきています。目安がわかるようになるまではポーチ中心部の底がおへその上1~2センチあたりにくるような深さに準備します。外側のレールを少し広めにしておくと抱き入れやすいでしょう。

 

 

②抱っこする人は自分と同じ向きで赤ちゃんを抱き、赤ちゃんの体重を自分の体に預けます。
赤ちゃんの脚をあぐらを組むようにまとめます。

 

 

③赤ちゃんを抱き上げ、外側のレールを広げながらポーチの中に降ろしていきます。
胸の谷間に降ろすようにするとより安定するでしょう。

 

 

④赤ちゃんがスリングの中に座ったら外側のレールを赤ちゃんのわきまで持ち上げて、袋の口を締めるようにテールを引きます。
赤ちゃんが抱っこする人の体にもたれている状態がベストです。

 

赤ちゃんの体重は赤ちゃんのおしりにかかります。おしりがいちばん下にきているか確認しましょう。脚はスリングの正面に持ち上がるようになっています。赤ちゃんの体はすべてポーチに入った状態です。

カンガルー抱きのこばなし。小柄だったので1歳半くらいまでこの抱き方を実践していましたが、ある日コンビニで気がついたらお菓子を握りしめていたため、その日限りで封印しました…手が伸びるようになったら要注意です。


 

キュット ミー!(スリング)では抱っことひとくちで言ってもさまざまな方法が楽しめます。ときどき気分転換に抱っこの仕方を変えてみるのもいいですね!

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