赤ちゃんの「泣き」に悩まされた経験はありませんか?
授乳、おむつ替え、抱っこ……何をしても泣き止まない。そんな場面は多くのママが通る道です。
今回ご紹介するのは、イギリスの研究者たちが行った「赤ちゃんの泣き」と「親の対応(育児スタイル)」の関係を科学的に調べた研究です。実際のパパ・ママにとっても役立つヒントがいっぱいです。
この記事は『Infant Crying and Sleeping: Helping Parents to Prevent and Manage Problems.』(St James-Roberts,2007)の一部を紹介し解説しています。
赤ちゃんの泣きは育児のしかたでかわる? 変わらない?
研究ではまず、「赤ちゃんの泣きは親の育て方で変わるのか?」という疑問を検証しました。特に**生後3か月までの赤ちゃんの「なだめられない泣き」**に注目しました。
その結果…
✅ なだめられない泣きは、親の育児スタイルでは防げない
✅ この泣きは、生後まもない時期だけの特徴で、赤ちゃんの脳や神経の発達の一環と考えられる
ということが分かりました。
つまり、どんなに頑張っても泣き止まないときは「赤ちゃん自身の成長過程のひとつ」だと安心してよいのです。ママやパパのせいではありません。
「一日のトータルの泣きの量」は育児スタイルで変わる!
おもしろいのはここからです。
どうやっても泣き止まない「なだめられない泣き」は変わりませんが、1日全体の泣きやぐずりの量は親の接し方で大きく変わることも分かりました。
この研究では、イギリス(ロンドン)、デンマーク(コペンハーゲン)、そして抱っこや身体接触が多い「近接ケア(Proximal care)*」を実践する親たちの3グループを比較しました。この研究に参加したロンドンの親は、泣いている赤ちゃんに対して積極的に抱っこしてあやすなどはあまりしない考えを持っています。
【近接ケア(Proximal care)とは?】
赤ちゃんを1日中たくさん抱っこしたり、できるだけ体のそばに置いたりする子育て。夜も赤ちゃんと添い寝をする家庭が多いのが特徴です。親子の身体的な近接性を重視する育児スタイルのこと。
研究結果
✅ 近接ケアの親は1日15〜16時間赤ちゃんを抱っこ(ロンドンの親の約2倍)
✅ 赤ちゃんの泣きの量はロンドンの赤ちゃんより50%も少なかった
✅ コペンハーゲンの親はその中間
✅ 生後12週以降はどのグループも泣きは減ったが、ロンドンの赤ちゃんだけは多め
この結果はとても興味深いですね。
「たくさん抱っこ&早めに反応する育児」は、赤ちゃんのぐずりや泣きの量を減らすことに役立つようです。
泣きが続く赤ちゃんは病気のことも
研究では、赤ちゃんの泣きが長く続く場合、ごく一部のケースでは食物不耐症や消化器系の問題など体の不調が原因となることもあると指摘されています。
「なんだか様子がおかしい」「激しい泣きが3か月以上続いている」と感じたら、まずは小児科など専門家に相談しましょう。
ママ・パパへのメッセージ
この研究の一番大事なメッセージはこうです。
🌿 赤ちゃんが泣き止まないのは、ママやパパのせいではありません
🌿 でも、日ごろからたくさん抱っこして、赤ちゃんに安心感を与えることは泣きの軽減に役立つかもしれません
「近くにいるよ」「あなたの声を聞いているよ」という気持ちと行動が、赤ちゃんの心の安定にもつながるのです。抱っこできないときには、赤ちゃんのお腹を軽くトントン・なでなでするだけでも気持ちが伝わります。
実生活でできること
赤ちゃんとの日々は忙しい毎日。次のことを意識するだけで赤ちゃんの泣きの状態が変わってくるかもしれません。
✅ できるだけ早めに赤ちゃんの泣きに応える
✅ たくさん抱っこやスキンシップをしてあげる
✅ 疲れている日は無理せず、家族や支援を頼る
近くに身内や親しいお友だちなどがいない場合は、産後ケアやドゥーラに頼るのも手です。自治体によっては補助金がでていて、安価で利用できることがあります。
ドゥーラは産前産後の家庭に行って、身の回りの世話や家事手伝いなどをしてくれる人です。
産後ドゥーラ協会HP
最後に
「赤ちゃんの泣き」はママ・パパにとって心も体も負担になります。でも、この研究が示してくれたのは「泣きには意味があり、成長の一部でもある」という安心感でした。
赤ちゃんと過ごす日々の中で、少しでも気持ちに余裕が持てたらいいですね。
抱っこや声かけは、ママ・パパにとっても赤ちゃんにとっても最高の癒しになります。
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