3.11の東日本大震災では、激しく揺れた本震から約35分後には津波が襲いかかりました。
激しい揺れの後では、道路が波打ち、上部からの落下物を避けながら避難する必要があります。そんなとき、赤ちゃんと安全に逃げる方法とは…。
この記事では、①道路が混乱して被害がある状態で、②ひとりでは走れない子どもや赤ちゃんを連れて避難する方法をご紹介します。
結論「揺れないおんぶ」がベスト
地震のあとを想像してください。
・散乱するガラスや瓦礫
・波打ったアスファルトや崩れた歩道
・落ちそうになっている看板 など
このような状態では、ベビーカーを走らせることは難しいです。
また、何かにつまずいて転ぶときには、ほとんどは前に倒れます。だから、赤ちゃんを胸の前に抱っこしていると、赤ちゃんが親の下敷きになりやすいです。
そう、避難にはおんぶが最適。なのです。
おんぶができるのは、首すわり以降です。だいたい生後4ヶ月以降になります。
それ以前の赤ちゃんは抱っこして逃げましょう。
出先でおんぶ紐・抱っこ紐がないとき
とはいえ、ベビーカーで出掛けてしまって、おんぶ紐は持っていない! どうしよう! という状況も考えられます。大丈夫です、上着とベルトやストールとタオル(または衣類)などでおんぶできます。
上着とベルトでおんぶする
このおんぶは周りに人がいたら、先に赤ちゃんを背中に乗せてもらいましょう。手伝ってくれる人がいなければ、自分の脇の下から赤ちゃんを背中に乗せます。
かがんだまま上着を着て、その上からベルトやロープで落下しないようにします。
上着もないけどおんぶする
ストールでおんぶする方法がありますが、落下防止のためにタオルやケットなどを使うとよりよいです。(なぜかyoutube表示できないので、リンクをクリックしてください↓)
この動画では長さ180cmのストールとバスタオル、落下と揺れ防止のためにベルトを使っています。
上着を使って抱っこする
上着でおんぶする方法と同様に、上着のなかに赤ちゃんを入れることで安定して抱っこできます。首すわり前の赤ちゃんと避難する時には、この方法が安定しますし、避難場所で抱っこ紐がなくても、抱っこできます。
抱っこもストールでできる
抱っこもストールなどがあれば可能です。
スリングを一度も使用したことがないと、この抱き方は難しいかもしれません。赤ちゃんは布の中央に座り、しっかり脚をひらいて親の身体を跨いでいるような状態で座っています。
このように布を使うと、かならず上の布が余ります。その余りの分は脇の下から反対の肩(縛ってあるところ)に向けて寄せていきます。最後に肩の上などで、ひっくり返すことで多少調整できます。
イタリアのベビーウェアリング・コンサルタントの方が動画で紹介していたので、こちらで共有します。
くびが座らない赤ちゃんがいるとき
生後4ヶ月くらいで赤ちゃんは自分の体で自分の頭を持ち上げられるようになります。そこからおんぶができるわけですが、その前の赤ちゃんはどうしたらよいでしょうか。
抱っこができるならそれでもよいのですが、転倒には注意しましょう。災害時は瓦礫がたくさんあるので、転びやすく、赤ちゃんが下敷きになるかもしれません。
まだ抱っこ紐に慣れていないばあいは、バッグに入れる方法をお勧めします。
いつもの抱っこ・おんぶを見直そう
画像をみていただいてわかるように、これらのやり方は普段から抱っこ紐・おんぶ紐をゆるゆるに使っていると難しいと思います。反対に普段から布製の抱っこ紐・おんぶ紐を使っている方は、専用のものがなくても応用をきかせてやることができると思います。
冒頭のイメージ画像はファクシミリをコピーしたものですが、3.11のすぐあとに被災地の助産院から届いたものです。当社のおんぶ紐を使っていた親御さんは避難が速かったという内容です。さっと密着した抱っこやおんぶができるのは、布製抱っこ紐の特性です。いざというときのために、ふだんから北極しろくま堂の抱っこ紐・おんぶ紐をお使いください。その経験が役に立ちます!
関連ブログ「赤ちゃんがいるご家庭の防災」もぜひ参考になさってくださいね。
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