【特集1】へこおびの使い方バリエーションをご紹介!~おんぶ編~

前回の抱っこ編に引き続き、今回はおんぶ編。
へこおびのおんぶがもっと快適に楽しくなる知恵をご紹介します!

リュックでチベタンフィニッシュ

胸の前でねじってばってんするするおんぶだと胸が目立って恥ずかしい、首がしまって苦しいという方にはこの方法がおすすめ。
胸の前ではなく鎖骨の下でばってんを作ります。右の写真のように布を広げると、布のあたりがソフトになります。

詳しい方法はこちら。

お腹を圧迫しないので妊婦さんがおんぶするのにもよい方法です。

ただし、脇の下が圧迫されて痛い方にはあまり向いていないので、昔ながらのばってんスタイルか、次のキモノスタイルでお試しください。

ねじらず広げてキモノスタイル

胸の前でへこおびをねじらず、布を広げて交差させます。
結び終わってから布を広げるのは難しいので、初めから布を広げて交差させてください。

へこおび+バスタオルでおんぶもっこ風

首がすわったばかりのお子様をへこおびでおんぶしようとすると、お尻に布をかぶせるのが難しいというお声をよく聞きます。

薄手のバスタオルもしくはおくるみをへこおびにかけると背当てのかわりになり、へこおびおんぶが簡単にできるようになります。

詳しい方法はこちら

北極しろくま堂ではWrap you?で使用しているジャガード織りの生地で作った、おくるみとして使える商品を発売予定です。

こちらはへこおびおんぶ用の背当てとしてもぴったりの大きさ。赤ちゃんのお昼寝用の肌がけ、ベビーカーの掛け布にもなりますし、正方形に近い形(90cm×93cm)でふろしきとしても使えます。

脚を抜いてしまう赤ちゃん対策に!バンチ&ひざ下通し

へこおびでおんぶしていると、お子様が脚を伸ばしてしまい、脇の下だけでぶらさがっているような状態になってしまう…というのもよく聞くお悩みです。

その場合の対策をご紹介します。

【対策①】2 枚のうち1 枚の布はお尻にかぶせずにバンチ(束)にして膝裏を通す

赤ちゃんのひざがお尻よりも高くなるようにM 字に開脚してあげてください。

①の方法でも赤ちゃんが脚をのばしてしまう場合は…

【対策②】お尻を覆った布を赤ちゃんの膝裏を通してから前で結ぶ。

この方法だとどんなに元気な赤ちゃんでも脚を伸ばすことができません。
写真では赤ちゃんのお尻が桃のように半分ずつ覆われていますが、実際にやってみると、このようにお尻で布を広げるのは難しいです。ほとんど一本ひもでおんぶしているような状態になります。

へこおびは、布としてもひもとしても使えます。

抱っこやおんぶだけでなく、右の写真のように肌がけにしたり、急な雨が降ってきた時の雨よけにしたりもできます。

みなさんの発想力次第でさまざまな使い方ができそうですね。


【特集2】International Babywearing Conference 2016 in Atlanta Report

報告者:園田 正世(北極しろくま堂店主)

7月14日から17日まで、アメリカのアトランタでIBC2016が開催されました。アメリカのでのインターナショナル・ベビーウェアリング・カンファレンスの開催は2006年に始まり、隔年で全米各地を舞台にしながら開催されています。

過去のカンファレンス記事

Babywearing Conference 2006 in ポートランド(北極しろくま堂 店主の日記より)→現在は公開していません。

店主・園田の正世のアメリカレポート(2008年 シカゴ開催)
(準備中)

Babywearing Conference 2012 in ワシントンDC Report
(準備中)

European Babywearing Conference 2013 Report
(準備中)

Babywearing Conference 2014 in フェニックス Report
(準備中)

私は2010年だけは参加していませんがその他は参加しているという、参加者の中ではかなり古参な感じの人になりました。毎回お目にかかるのはSling Ring社の社長さん(だと思う)。今回も「あーっ、お久しぶりですねー」みたいな挨拶をしたくらいです。

詳細はIBCのサイトで大量の画像が紹介されているので、お時間がある方は見てください。

(全体の紹介)http://www.internationalbabywearingconference.com
(ギャラリー)http://www.internationalbabywearingconference.com/people.html

キーノートスピーチを除くセッションは、発表者の申し込みと事前審査によって実施が決定されます。
毎日各セッションでは、初心者から専門家向けの各種抱っこ紐の使い方講座が開催されています。主にはリングスリングとラップですが、ラップは使い方が何通りもあるために実にバリエーションに富んだ内容が展開されます。これはもちろん参加するインストラクターのためでもありますが、それよりも開催地の親御さん向けという印象も強いです。ですから初心者コースからあるのですね。

参加者がどんなWearing Toolsを使っているかも流行があります。前回のアリゾナの時にはほとんどWrapしか見かけませんでしたが、今回はRIng Slingが目立ちました。

座学も様々企画されています。私はおんぶについてと各種抱っこ紐を使用したときの温湿度調査について2回報告しました。特にOnbuは欧米で流行っていることもあって、30名くらいは聞きに来ていたと思います。発表後に様々な質疑もありました。これについては詳細をブログでご紹介していますので、興味のある方は見てください。

(公式ブログ)現在は公開していません。

もちろん私も一参加者として、興味あるセッションには積極的に参加しました。

なかでも興味を引かれたのは、ネット上のBabywearing comunityについて90年代から調べて、いつの時期にどの国でどんなコミュニティが生まれてどのように発展(消滅)していったかというLauraの発表がおもしろかったです。ネット上のコミュニティであっても、インターネットの発展とともにリアル社会を代弁しているように思いました。
またベビーウェアリングにまつわる様々な言説を「神話」(うそ)と「ほんと」に分けてクイズ形式で紹介していったセッションも印象に残っています。

二日目の夕方からはベンダーホールを使って大規模なパーティが開催されました。みんなチケットをもらって1ドリンクサービスを受けます。食べ物は無料です。DJブースも設置されて、ダンスも始まりました。食事はちゃんと温かく提供され、飲み物には地ビールなどもありました。

ホールの外のホワイエでは仮装ダンスの審査会(?)が行われていました。こういうノリがやっぱりアメリカですね。

夜になると友達どうしでピザを食べにいったり、みんなそれぞれ楽しんでいます。

私はIBCの方と知り合うことができて、アトランタの中心街まで車で連れて行っていただきました。シーフードを食べたのですが、これまでアメリカで食べた食事でいちばん美味しかったです。これならアメリカに住めると思ったくらい(笑)。
最終日はお昼で終わったので、ディディモスのIさんと市内観光に出かけました。


次回の開催地は2018年7月19日〜22日にアイオワのDes Moinesという町で開催されるそうです。

仮に日本で同じようなことを企画しても日本には日本のお母さんたちの雰囲気があるので、アメリカのような底抜けに明るいお祭りモードにはならないように思います。イギリスのカンファレンスもまた違った雰囲気がありますしね。そういう意味では出かける価値がありそうですよ。

おわり


次号予告

Wrap you?の使い方解説 第2弾
赤ちゃんを背中に乗せるまで&おんぶの時のシートの作り方

少し涼しくなってきたら、ベビーラップにもチャレンジしてみませんか?ベビーラップでのおんぶはへこおびや昔ながらのおんぶひもとは少し違ったテクニックが必要です。

まずは背中に乗せるまでとシートの作り方についてお伝えします!


編集後記

夏休みも終わり9月に入りました。みなさん楽しい夏を過ごされましたか?小・中学生をお持ちの方は昼ごはん作りから解放されてホッと一息ついていらっしゃるのかもしれません。
今回はへこおびのおんぶを特集しました。高い位置でのおんぶは親子のコミュニケーションにもなって夏の思い出作りにぴったりです。右の写真はベビーウェアリングコンシェルジュがへこおびの富士山(遠州綿紬)でおんぶをしている様子。ノスタルジックな雰囲気のただようすてきな1枚です。カメラマンはお父さんだそうです。写真には写っていないけれど、きっとしあわせな気持ちで家族を見つめていたのではないでしょうか。
SHIROKUMA mail editor: MK②

EDITORS
Producer Masayo Sonoda
Creative Director Mai Katsumi
Writer Mai Katsumi, Masahiko Hirano
Copy Writer Mai Katsumi, Masahiko Hirano
Photographer Yasuko Mochizuki, Yoko Fujimoto, Keiko Kubota
Illustration 823design Hatsumi Tonegawa
Web Designer Nobue Kawashima