赤ちゃんがやってきて親となったカップルにとって、赤ちゃんとのコミュニケーションは喜びに満ちた時間ですよね。

その一貫としておんぶひもが注目をあびています。特に、日本のおんぶひもは高い位置でのおんぶができることから親子が同じ景色をみることを可能にし、親子の絆を深める理想的なツールとなっています。

親子で共有する特別な体験

日本のおんぶひもは、親子が同じ視点から世界を見ることを可能にします。この共有された体験は、親子の絆を深めるだけでなく、子どもの成長と学習にも大きな影響を与えると言われています。赤ちゃんは高い位置でおぶわれ、親の肩越しに親と同じ景色を見ることができます。これにより、言葉を使わなくてもコミュニケーションが生まれ、親子の心が通じ合います。

 

「共視」と子どもの知恵

精神科医の北山修が提唱する「共視」は、親子が象徴を共有し合う概念です。おんぶを通じた「共視」は、親子が同じ高さで同じ景色を見ることで、言葉だけではなく視覚的な共感を築く手助けとなります。これが日本の子どもたちが賢いと言われる理由の一因とされています。

高い位置でおぶうことの意味

北山は、親子がおんぶを通じて「共視」できるのは、高い位置でおぶうことによって親子が同じ景色を共有し、親の動作に合わせて動くことで行動をともにしてきたからだと主張しています。この経験が子どもの社会性や感情の発達に寄与し、知的な刺激をもたらすことが期待されます。

現代の育児におんぶひもを取り入れる理由

現代社会では、仕事や家事など様々な活動が多忙を極めます。上の子がいるときにはそのお世話と小さな赤ちゃんと二人をひとりで見ることも日常でしょう。
その中で、日本のおんぶひもが提供する共有体験は、親子がコミュニケーションを深め、子どもの知性を育むための貴重な時間を提供します。言葉に頼らない視覚的なコミュニケーションは、忙しい現代の生活においても取り入れやすく、親子の特別な瞬間を演出します。

日本のおんぶひもは赤ちゃんを脇で支えお尻をフォローするために、高い位置でおぶうことができます。

一方で腰ベルトがあるおんぶの道具は、赤ちゃんのお尻の位置を決めてしまうため高さを調整することが困難です(重さが腰に分散されるという利点はあります)。

本の紹介

共有体験について論じた本に北山修が編集した「共視論 母子像の心理学」があります。この本で北川は、親子のコミュニケーションには、言語的交流のほかに「非言語的交流」があり、西洋社会でみられているような二者間の外側にある交流以外に、親子の内側の交流があると主張しています。

私たち日本の人々はKY(空気を読む/読まない)などと言いますが、言わなくてもわかること、言わなくてもわかってね、という交流を小さな頃から体験しているのです。

それは国際的に通用しないという考え方もあると思います。ですが、思春期になって「あの子何考えてるかわからないわ」とお手上げになる前に、実は親子は顔や表情、目線だけで相手のことがある程度わかるような仕組みを作り上げているのです。

まとめー結びつける親子の絆

今の時代だからこそ、日本のおんぶひもの良さを体験してほしいと考えます。赤ちゃんとの視覚的な共有体験を通じて、言葉だけでは伝えきれない親子の絆を深め、知的な成長を促進させましょう。おんぶひもは、日本の古くからの伝統が、現代の子育てに新たな価値をもたらす素晴らしいツールとなることでしょう。