へこおびは抱っこもおんぶも可能です。使いこなせたらこんなに便利なものはありません! 災害時の避難にも役立つでしょう。
抱っこは新生児(生後2週間)から、おんぶはお首がすわってからお使いいただけます。お首がすわれば抱っこの時、顔を出してあげてもいいです。
装着後布幅を広げるようにすれば使用者も楽で、赤ちゃんにも優しく抱っこ、おんぶできます。

はじめに

  • へこおびは新生児(生後2週間)から体重15キロ未満のお子様まで、ながくご使用いただけます。
  • 授乳後30分くらいは吐きやすいので使用しないでください。
  • くびのすわらない赤ちゃんを抱っこするときは、くびがぐらぐらしないようにご注意ください。
  • おんぶは頸がすわったお子様からご利用ください。
  • おんぶするとき、お子様の足は左右に開いてあげるようにしてください。
  • 連続して使用するときは、2時間以内が望ましいです。
  • 自転車や自動車の運転時には使用しないでください。

へこおびの抱っこ動画

へこおびのうしろ結び抱っこ

①布の中央をゆるめにお腹にあてます。

②背中で交差させて肩にかけます。

③前でも交差させてお腹の帯の下に通します。

④帯をそのまま後ろに回してしばります。

⑤赤ちゃんを抱き入れます。下の帯から通すと入れやすいです。

⑥脚を十分にひろげ、交差している布を広げて背中を覆います。

⑦はじめにお腹にあてた布の下に赤ちゃんの脚をとおし、赤ちゃんの股からくびまでを覆うように引き上げます。

完成です。

へこおびの前結び抱っこ

①布を三つ折りにして(織り方はZ折り。以下のおんぶと同様にします)布の中央を背骨にあわせ腰あたりまで布を垂らします。

 

②帯を胸の前で交差させます。

③背中の垂らした部分に前の帯をとおします。

 

④もう片方も通します。

⑤両側の布を前にもってきて、おへそのあたりで結びます。

⑥胸の前で交差している布を広げます。ここが赤ちゃんが入るところです。

⑦赤ちゃんを抱き入れます。げっぷさせるときのように少し高めに抱っこして足先から入れていきます。

⑧完成!

腰の安定していない赤ちゃんは、いちど結び目をほどいてお尻を支えるような位置で結び直すとより安定します。

へこおびを使ったおんぶ

へこおびのおんぶ動画

*以下のモデルの子どもは2歳児です。

①まずへこおびの準備をします。兵児帯を広げて、図のようにじゃぱら折りで三つ折りにします。Z折りとも呼びます。
後のステップで赤ちゃんのお尻やご自身の肩を覆いやすくするためです。

②赤ちゃんの背骨に布の中央部分(しろくまマーク)を当てて、脇の下を通して胸の前でぎゅっと握りしめます。持ち手をしっかり持つという意味で、赤ちゃんを縛るのではありません。

③お子様の背負い方は、頭あてつきおんぶひもと同じです。お子様のむめの前で握ったひもは、ちゃんと背負うまで緩めないでください。お子様を背負うところから紐を両肩にかけて旨の前で交差させるステップまでは、背あてつきのおんぶひもと同じです。おんぶひもの使い方または動画でご確認ください。

赤ちゃんを背中に背負う方法。難しければ段差を利用すると怖くない。

④胸の前でひもを交差させたあとのステップでは両手が必要になりますので、一方の帯をご自身の膝と膝のあいだにはさんで固定します。前傾姿勢(かがみ姿勢)のままでこの作業をおこなってください。

⑤膝のあいだにはさんだ帯はそのままで、もう一方のおびを広げながらお子様のお尻とももをカバーするように後ろにまわしていきます。

この時に背中から大きな布を広げて被るようなイメージで行うとカバーできる範囲が広がります。このステップを横から見ると以下の画像のような感じです。

へこおびを広げましょう。お子様の脚をしっかり開脚させてください。

⑥ご自身の前まで布がまわったら、挟んでいたおびと替えて、もう一方も同じようにします。

⑦もう一方もまわし終えたら、お腹の前でしばります。

しばる前に、おびのたるみを取り除くようにぎゅっぎゅっとひもを引いて全体を締めるとよいでしょう。このときに、特にお子様のお尻の下側を通る布端を意識的に引いて締めるとおんぶが安定しやすいです。

⑧最後に肩の部分にあたるおびを広げてあげます。これによって肩こりを軽減させることができますし、背中の部分もあわせて締まるので安定感が増します。
おしまいに、お子様の脚をもう一度しっかり開脚させましょう。

へこおびでリュック+チベタンフィニッシュ

背中に背負うところまでは、へこおびばってんおんぶの方法手順3までと同じです。

❶前かがみになって作業します。
片方のおびは膝ではさみ、もう片方は脇の下から後ろ(背中側)に送ります。
帯を広げながら赤ちゃんのお尻を覆います。
(このとき、赤ちゃんの脚をしっかり開脚しましょう。赤ちゃんが開脚を嫌がったら、最後にも開脚させるタイミングがあります。)

❷膝の帯を挟みかえて、もう一方も同様に赤ちゃんのお尻を覆います。

こちら側の布は広げずに、棒状にして赤ちゃんの膝裏から膝裏を通すようにしてもよいです。赤ちゃんが脚を伸ばすのを防ぐことができます。

❸おびを緩めないようにもち、斜め上に向かって引き上げます。
こうすると赤ちゃんの位置が上がります。

このように両肩から脇の下に紐を通した状態でおんぶすることを、「リュックで背負う」(リュックサックキャリー)と言います。

❹下の写真のように、右側のひもを左肩のひもに通し、左側の紐を右肩のひもに通します。(内側/外側どちらから通してもOKです)
両方できたら、また紐を斜め上に向かって引き上げましょう。
このやり方を「チベタン(チベット式)」と呼びます。

胸の前ではなく、鎖骨の下でバッテンをつくります。

❺最後に鎖骨の下で結んで、「リュックでチベタン」のできあがり。
交差した布を広げて胸ぜんたいを覆うようにしてもよいです。

チベタン(チベット式)のおすすめポイント

  • 胸が強調されません。外出時もおんぶしやすくなります。
  • 首に肩ひもが当たって苦しくなることがありません。
  • ひもを上に向かって引き上げることで高い位置のおんぶがキープしやすくなります。
  • 鎖骨の下でも赤ちゃんの体重を支えるので、肩だけに負担がかかりません。
  • お腹を圧迫しないので、妊娠中のかたも上のお子さんをおんぶできます。

リュック式はわきの下が圧迫されやすいため、リンパ腺にあたって痛みを感じる方には向いていません。
そのような方は下の写真の方法をお勧めします。
胸のまえでへこおびをねじらずに、布を広げて交差します。