親と赤ちゃんの体格別「おんぶ」の選び方

親の体格別おんぶひもの選び方

商品選びをするときには、主に使用するひとを基準に選びましょう。以下は女性の体型別にしていますが、なかでも男性の体型で注意すべき点がある場合は掲載しています。ベビーラップはベースサイズは大きい方を、ショートサイズは小さい方の数字を参考にしてください。
 

<やせ型:洋服のサイズが7号以下>

◎ へこおび(男性の体格がラグビー選手のようにものすごく大きい場合は、共有が難しい可能性あり)

〇 ベビーラップ(サイズ2~サイズ4くらいまで)

△ 昔ながらのおんぶひも(ニー・トゥ・ニー含む)
ウエストが細い方はおんぶひもの腰ひもがお腹の上で近くなりすぎてしまうことがあります。

<普通体型:洋服のサイズが9号~11号、まれに13号を着用>

◎昔ながらのおんぶひも

◎へこおび

◎ベビーラップ(サイズ3~サイズ5、洋服が13号の方はベースサイズをサイズ6にした方がよいでしょう。

普通体型の方を基準に製品づくりをしているため、どの製品も快適にお使いいただけます。

<ぽっちゃり型:洋服のサイズが13号以上~>

◎へこおび(体重が75kg以上の方で、長さが心配な場合は、特注のラージサイズがお勧め)

◎昔ながらのおんぶひも(ニー・トゥ・ニーの方が使いやすいでしょう)

◎ベビーラップ(サイズ5~サイズ7または8)

昔ながらのおんぶひも”ニー・トゥ・ニー”は肩ひもの幅も厚みも普通サイズより大きくなっています。そのため、通常のおんぶひもでは方への食い込みが気になる方にもお勧めできます。

赤ちゃんの成長に合わせた商品の選び方

赤ちゃんの体重が重くなってきたときは、より厚手の生地、覆う面積を増やすことを考えるとよいでしょう。

・普通のおんぶひも → ニー・トゥ・ニー

・へこおび → 厚みのある生地(ジャカード、LennyLambのコラボ製品)

・またはベビーラップへ

薄手のへこおびを使っていて、食い込みがきついと感じるようなったら、赤ちゃんをおぶう前にへこ帯のミドルマーク付近にタオルを巻き込むことで解消できることがあります。また、おんぶひもの肩ひもに100均で売られている水筒の肩ベルト(厚みあり)やシートベルトパッドを巻き付けるととてもラクになります*。お試し下さい。 こちらの記事も参考になります。https://www.babywearing.jp/howToChoose

(*横浜市西区・NPO法人Umiのいえの佐藤さんのアイデア。)

おんぶの道具にもいろいろある

北極しろくま堂は2000年から「だっことおんぶの専門店」として事業を続けています。抱っこは胸のまえで赤ちゃんをかかえるもの、おんぶは背中に背負うもの**。当店ではおんぶができる道具は3種類あります。すべて布製で、おおむね単純なカタチをしています。

日本の歴史のなかでは、様々な地域でそれぞれ固有のおんぶひも(というか、おんぶする道具)がありましたが***、多くの地域では呼び方は違うものの長い紐状のものを利用しているところが多かったようです。当店の「昔ながらのおんぶひも」は昭和30年代の型紙を少し改変して作っていますが、このような意図的に形状をつくったおんぶ紐が作られたのは昭和一ケタ世代(1930年代頃)からのようです。

**1975年頃から「前おんぶ」という表現が使われるようになりました。おんぶは赤ちゃんの子守をする行為、抱っこは赤ちゃんを運ぶ行為というように考えられていた時期があり、「前おんぶ」は “胸のまえで抱えるけれども、意識はちゃんと赤ちゃんに向いている” という行為を指しているようです。また、抱っこひものことを「しょいこ」と表現することもありました。

***多くの地域では細長い紐や帯状のものを流用し、赤ちゃんに使うと決めたときから固有の名称で呼び、他の用途に使わないようにしていました。アイヌ民族は縄と木をつかって背負うための道具「イエオマプ」をつくって使っていました。主に九州の海岸沿いの地域では子ども用布団に紐をとりつけた「もっこ」を使っていました。

(参考:園田正世 2019「地域に伝わるおんぶ具の変遷—出雲「子負帯」と天草「もっこ」を事例に—」『生活学論叢』35, pp.15-30)


次号予告

新型だっこひも「ハグリーノ」のご紹介

北極しろくま堂では、一昨年から成型された抱っこひもの制作に取り組んできました。この秋、へこおびとSSCの中間的な位置づけの抱っこ専用「ハグリーノ」を発売します。抱っこしたり降ろしたり、おうちの中でも大活躍すると思います。へこおびのフィット感の良さと装着の簡易性を活かした新製品、ご期待ください!


編集後記

日中まだまだ暑さはあるものの、空や風はすっかり秋めいてきましたね。今回、おすすめ商品ではこのシーズンにぴったりな落ち着いたラインナップをご紹介いたしました。
「体格別のおんぶ」について特集させていただいた今号。世の中に「おんぶをする道具」はいろいろありますが、どれが一番よいかは一口には言えず、ご使用者様の体格やライフスタイルなどを合わせてご検討いただくとよいでしょう。
どれがいいかな、と悩まれたときはぜひご参考くださいませ!
SHIROKUMA mail editor: NK

EDITORS
Producer & Creative Director Masayo Sonoda
Writer Mai Katsumi, Masahiko Hirano, Masayo Sonoda, Asami Yagi
Copy Writer Mai Katsumi, Masahiko Hirano
Photographer Yasuko Mochizuki, Yoko Fujimoto, Keiko Kubota
Illustration 823design Hatsumi Tonegawa
Web Designer Nobue Kawashima