【特集1】へこおびとベビーラップ どう違うの? どちらがいいの?
「へこおびとベビーラップ(北極しろくま堂の商品名はWrap you?)の違いはなんですか?」「どちらがいいですか?」というご質問をカスタマーセンターにいただくことが度々あります。
布製の抱っこひもを初めて使う方には、どう違うのか、どういう特徴があるのかわかりにくいですね。どちらが自分に向いているのかわからない、決められないという方のために、その違いと特長をまとめてお伝えします!
幅
へこおびは幅38 センチ、ベビーラップは幅70 センチ前後。幅が狭いへこおびは扱いが簡単で涼しい。ただしベビーラップに比べると密着感や体への負担感は劣ります。反対にベビーラップは幅が広いので布の扱いは大変で日本の夏には暑いですが、どの布製抱っこひもよりも密着感があり、体への食い込みが少ないのが特長です。
長さ
へこおびの長さは4.5 メートル、ベビーラップはサイズによって長さが異なり、使う人の体型ややりたい巻き方に応じてサイズを選びます。
服のサイズが女性でM〜L の方の基本となるベビーラップのサイズ(ベースサイズ)は5 であることが多いですが、その場合、へこおびを選んでもベビーラップを選んでも裾が床についてしまいます。
技術が上がって、ショートサイズ(ベースサイズよりも2 つ下のサイズ)のベビーラップを扱えるようになると、裾は下につきにくく布さばきも楽になります。
ベビーラップのサイズ
生地
北極しろくま堂のへこおびは、薄めのものから厚めのものまで種類豊富。どれを選んだらいいのかは、以下を参考にしてください。
厚み | 重さ/1枚あたり | 特徴 | |
しじら織り 平織り(バンブー) 綾織り(ストーン) サッカー織り (ブリティッシュタータン) グランデ |
薄め | 220~245グラム | 軽い コンパクト 涼しい |
ヘリンボーン(カマイユ) | 中程度 | 294グラム | 肩に食い込みにくい |
Hishi/ジャカード織り | 厚め | 300~345グラム | 最も肩に食い込みにくい |
北極しろくま堂のベビーラップ“Wrap you?”はジャカード織りで作っています。適度な厚みとふんわりしたクッション性のある生地は体への食い込みが少なく、荷重の負担感を軽減します。1 ㎡あたりの重さは166〜203 グラムです(柄により異なります)。サイズ5 に換算すると、522〜638 グラムになります。
抱っこ・おんぶの種類
へこおびは基本の抱っこが2 種類(後ろ結びと前結び)、おんぶが2 種類(ばってんとチベタン)です。使い方に慣れてきたら、ダブル・クロス・キャリーやスリングにする使い方などの応用もできますが、バリエーションは多くありません。
対してベビーラップはその巻き方は無限大!基本的な布の扱い(パスの方法やシートの作り方など)をマスターすれば、その組み合わせで何通りもの使い方が楽しめます。
使い方の基本
へこおびの抱っこは、布を体に巻きつけてあらかじめ赤ちゃんを入れるスペースを作ってから抱き入れます。そのため、比較的落下の心配が少ない抱っこひもです。最初のサイズ作りが肝心で、抱っこし終えてからサイズを調整することはほとんどできません。
おんぶの場合は赤ちゃんの脇の下に布を通して背中に背負う、日本の伝統的なおんぶのスタイルです。背負い方はベビーラップに比べると難易度が低いです。(それでも初めての方は練習が必要です。)
ベビーラップは巻き方にもよりますが、片手で赤ちゃんを支えながら布を引き締めて抱っこする方法が多く見られます。慣れないうちは怖さを感じるかもしれませんが、ちょうどいいところまで引き締めながら抱っこができるので、完成したときには気持ちよい密着感を楽しめます。そこで味わう密着感はとても気持ちがいいです。ただし、途中で緩まないように気をつけながら引き締めるという作業は慣れるまで練習が必要になります。
おんぶの場合は、首のすぐ下からお尻全体を布で覆ってシートを作るスタイル。
これも練習が必要ですが、できるようになればあらゆるおんぶに使えます。
また、赤ちゃんを背中に乗せる方法も簡単とは言えませんので、最初のうちは教えてくれる人がいる環境で試してみたほうがいいかもしれません。(ベビーラップの難易度については、感じ方に個人差があります。あくまでへこおびと比べると難しいという意味であって、使えるまでに時間がかかる方もいればそうでない方もいます。)
へこおび*こんな方におすすめ
・布製抱っこひもを初めて使う方
・気軽にさっと布製抱っこひもを使いたい方
・できるだけ少ない練習回数で布製抱っこひもを使えるようになりたい方
・軽量でコンパクト、携帯性に優れた抱っこひもをお探しの方
・低予算で布製抱っこひもの購入を検討している方
ベビーラップ*こんな方におすすめ
・スリングやへこおび使用経験があり、布製抱っこひもをもっと楽しみたい方
・お子様が重たくてつらい…使用者の体への負担を軽くしたい方。
・1 回のおんぶの時間が長い(電車移動が多く、30分以上おんぶしているなど)方
・ファッション性の高い抱っこひもをお探しの方、布を見ているのが好き!という方
・練習してできるようになることが楽しい!と思える方
へこおびとベビーラップ、どちらを選んでいただいても高い位置で密着した抱っこができますし、一般的な抱っこひもと比べると体への負担は少ないと自負しています。あとは、使う方の生活や性格から何を優先するかで、どちらがよいかを決めるのがよいと思います。これからの季節は、密着した抱っこやおんぶが楽しい季節!ぜひご検討くださいね。
2018 年12 月31 日まで「2 枚目のWrap you? 3000 円引きキャンペーン」中です!
ベースサイズとショートサイズを揃えたり、お友達と一緒に注文して割引をゲットすることもできます。(キャンペーンは終了しました)
【特集2】
心を育てるベビーウェアリング
オリンピアードシリーズ 第4弾 ストーン
北極しろくま堂のオリンピアードシリーズは2020 年オリンピック招致を記念して、五輪マークの色(青、黄、黒、緑、赤)をテーマに展開するデザインです。
五輪マークは5 大陸の連携を表しているとされ、この5 色と地色の白で、世界中の国旗のほとんどを描くことができると言われています。オリンピアードシリーズでは、このシンボルカラーを主役にしたおしゃれで使いやすい配色を提案します。
オーシャン(青)、サンド(黄)、バンブー(緑)に続き、第4弾は黒をテーマにした「ストーン」です。
オリンピックカラーの中の黒は一説に「土」を表すと言われています。また黒は、冥界の闇、服喪、無知、悪、嫉妬、怒りなどの負の感情に結びつけられやすい色ではありますが、一方で子宮、愛、知恵、高貴な色などポジティブなイメージも持ち合わせています。
ベーシックカラーとして一般のアパレルでも根強い人気のある色ではありますが、使う面積や質感によって重たくなりすぎてしまうことも。赤ちゃんを抱っこするのに使う生地なので、暗くならないようにしたいと考え、「軽やかな黒」のイメージで配色を工夫しました。打ち合わせを重ね、黒よりも明るく、ファッションにも取り入れやすいグレーをメインにした配色「ストーン」が誕生しました。
3 つの色が1 枚の生地の中で配色されています。
上から
・セレスティアル・ブルー(神聖な史上の天空の色)/藍白(東京スカイツリーの色)
・ラベンダー/藤色
・アントワーズ(フランス語で「石盤」「瓦」)/薄墨色
明るめのグレイッシュカラーはウィンターパステルとも言い、2018 年の秋冬の注目カラーです。穏やかで静けさを感じる色調です。
ネイビーやブラックなどのダークな色に合わせると落ち着いた印象に、淡いピンクと合わせるとかわいらしく、明るめのインディゴでは洗練されたカジュアルに、パープル系やレッドパープル系では女性らしく、白であればすっきりと爽やかな印象など、ファッションの色や素材によっていろいろな表情が楽しめます。どんな色にも合わせやすく、合わせる色がもつイメージを引き立ててくれる生地に仕上がりました。
今回のオリンピアード/ストーンについてカラーデザイナーさんからコメントをいただきました。
今回は、黒と日本人の美意識について改めて考える機会となりました。
伝統的な日本の建築、衣装、美術品などには、極彩色とモノクロームの両方をみることができますが、美意識の形成の核となったのは、やはりモノクロームだったのではないかと思います。無彩色の空間「待庵」をつくり、長次郎の「黒の楽焼」を愛好した千利休の美学、また、家紋、水墨画、枯山水などにも、簡潔で洗練された美意識が感じられます。こうした静かな感性の中にこそ、日本の風土と文化が息づいているように思います。
「ストーン」の生地については、重く硬いイメージをもつ色「ブラック」を、柔らかく、しなやかな使用感のスリングにどのように取り入れるかということが一番の課題でした。スタッフの皆さんからは、全体を明るい印象にしたいとのご意見をいただきましたので、ブラックの面積を小さくして、それが印象に残るような構成を検討しました。黒を含む3色の糸を使用したダークグレーの部分は、明るさの変化が比較的大きく感じられます。光の強さによって、引き締まった印象と少し和らいだ印象の両方を楽しんでいただけるのではないかと思います。
メインカラーの2色は、伝統のモノクロームを少しクールな印象にしたカラードグレー(色味のあるグレー)です。そこに、明るいパープルを加えて女性らしさと優しさも表現しています。機能性と品質にもこだわったこの製品を、赤ちゃんの笑顔と成長に役立てていただければ幸いです。
※モノクローム:単色、単彩による表現のこと。ここでは彩色をしていない自然素材の色による表現も含んでいます。
ストーンの生地は綾織りです。しじら織りと比べて厚みはほとんど変わりませんが、生地の質感がとてもやわらかくて気持ちがいいです。
オリンピアードシリーズ 使いやすさのポイント
布の位置によって色が異なり、テールとポーチの関係がわかりやすくなっています。テールのどの部分を引けばポーチのどのあたりが締まる/緩むのかが一目でわかります。
使う人にやさしいデザインで初めてスリングを使う方にもおすすめです。
これまでのオリンピアードシリーズと異なり、キュット ミー!の場合は左右どちらの肩にかけても色の出方が同じです。
へこおびは1 色展開です。
いずれの商品も10月3日10:00〜発売です。使いやすさと美しさを兼ね備えたオリンピアード/ストーン。
オリンピアードの名にふさわしく、ベビーウェアリングで子どもたちにたくさんの笑顔を届けられますように。そして、そうして育った子どもたちが平和な未来を作っていけますように。それが北極しろくま堂の願いです。
次号予告
スリング抱っこ ポーチの作り方を復習しよう!
初めてスリングを使う方の多くが戸惑うのがポーチ作り。赤ちゃんが入らない気がして大きく作りすぎてしまったり、座らせる位置がわからなくてなんだかしっくりこなかったり。スリングで気持ちよく抱っこするための最初のステップとしてポーチ作りはとても大切です。説明書だけではお伝えしきれなかったコツを次号メルマガでご紹介します!
編集後記
夏のあの暑さが嘘のように、すっかり秋の気候になりましたね。急な季節の変化で体調など崩されていませんでしょうか。
今月の特集ではへこおびとベビーラップの違いについてまとめてみました。正直なところ、お客様からご相談いただいたとき、布製抱っこひもが初めての方、第一子の方にはへこおびをおすすめすることが多いです。布幅が狭い分、扱いが簡単なのと、手順さえ覚えれば失敗が少ないというのがその理由でしょうか。でも、先日お話したお母さんは「へこおびのおんぶは昭和感が出るから、これで外出中におんぶするのはちょっと恥ずかしい。ベビーラップならおしゃれにおんぶできるなと思って」とおっしゃっていました。確かに、ファッション性が高いのはベビーラップですね。ベビーラップ上達の秘訣のひとつに、「これが使えるようになりたい!」という憧れや気持ちの強さが重要というのを聞いたことがあります。金額的にも高いので「買ったからには使えるようにならなくては」と思うそうです。ベビーラップは腕や背中をたくさん使うのでエクササイズとしてもおすすめ!スポーツの秋に、ぜひトライしてみてくださいね!
SHIROKUMA mail editor: MK②
EDITORS
Producer Masayo Sonoda
Creative Director Mai Katsumi
Writer Mai Katsumi, Masahiko Hirano
Copy Writer Mai Katsumi, Masahiko Hirano
Photographer Yasuko Mochizuki, Yoko Fujimoto, Keiko Kubota
Illustration 823design Hatsumi Tonegawa
Web Designer Nobue Kawashima