2023年6月22日、北極しろくま堂より欧米のOnbuhimoを発売しました。メーカーはLennyLamb社さん。

おんぶ紐とOnbuhimoの違い

主な違いはバックルとストラップで調整するか、紐で縛るかの違いです。
また肩のクションの厚みも大きく違います。

日本のおんぶ紐は昭和時代の初期に開発され、日本全国に広まっていきました。(もしかして大正時代にもあったかもしれませんが、こんど調べておきます)当社が製造販売している『昔ながらのおんぶひも』とほぼほぼ同じカタチです。

一方、Onbuhimoは【腰ベルトのないおんぶ専用具】のことです。そのため,現在では欧米でさまざまなOnbuhimoが開発されています(笑)。

今回当社がLennyLambのOnbuhimoを販売しようと思ったのは、最近1歳またはそれ以上のお子さまをおんぶしたいというご相談が増え、大きなサイズのおんぶ紐をお探しの方が増えたと考えたからです。

大きなお子さまを日常的におんぶするなら、肩のクッションなどが厚い方がよいだろうし、そうした日常生活を送るならレジャー先でもおんぶする(=複数の人が使用するので使い方がわかりやすいほうがいい)場面があるのではないかと考えたからです。

また、LennyLambのOnbuhimoはシートが作れるので、安全性が高いと判断しました。

どちらを選ぶべき?

お子さまと過ごす時間が長く、主におんぶをする方はOnbuhimoをお奨めします。1歳過ぎてもおんぶすることが多そう、という方にもクッションが厚いOnbuhimoはお勧めです。

毎日夕食をつくる30分だけ、ということならサッと使える昔ながらのおんぶ紐がよいでしょう。昔ながらのおんぶ紐のサイズ選びはこちらのページから。

おんぶは必要だし、合理的

お子さまの骨盤を中心にした発達のためには、生後10ヶ月以降くらいからは腰抱きもしくはおんぶが推奨されています。正面に抱く方法では,お子さまの身長が伸びるためにこの脚の角度をとりながら抱くことが難しくなるからです。

生後10ヶ月以降にも抱っこで外出したいばあいは、スリングのように腰に抱けるものを選ぶべきです。「腰抱き」とは養育者の身体の横を跨ぐようにして抱っこする方法です。

 Fig 1

Fig 3 The natural development of an infant 's carrying position in the first  year .
図はいずれも Norholt et al.,2022 (Babywearing Practices and Effects on Parental and Child Physical and Psychological Health)より。

日本のおんぶ紐が海外に広まったわけ

昭和40年にはラッキー工業さんが脚を入れる部位をつくって特許を取得されました。その前後より欧米へ輸出され、名称はそのままOnbuhimoが使われ流通していました。
欧米ではもともと抱っこする道具はほとんどなく、おんぶは毛嫌いされていた風潮があり、1960年代となると赤ちゃんを背中に載せるなどということは野蛮だと思われていたと推測されます。そのような状況下でも、一部の人たちには赤ちゃんと一緒にいる道具として受け入れられてきたようです。

筆者は2002年頃にヨーロッパの方からOnbuhimoについて問合せを受けております。また、2006年に参加したベビーウェアリングカンファレンス(米国Portland)でオーストラリアの方が『Genki!』と刺繍された古いおんぶ紐を持っていました。彼女は私に「これ、おんぶひもだよね?」と確認してきました。

前述したようにOnbuhimoは腰ベルトのないおんぶ専用具です。欧米では抱っこやおんぶを長時間する習慣がないので、抱っこ紐やおんぶ紐が開発されたのは日本よりだいぶ後のことです。
ですけれども、赤ちゃんは接触していた方がいいと考える助産師や育児支援者が抱っこできる道具として布を用いたり、日本から輸出されたOnbuhimoを参考にして道具を開発しつづけてきました。

近年ではアタッチメントペアレンティングが注目され、欧米でも赤ちゃんと近くにいる、抱くことを選択する親が増えてきました。そのことから、各メーカーもOnbuhimoの生産に乗り出し、さまざまなOnbuhimoが生まれてきたのです。

 

当社はだっことおんぶの専門店として、みなさんに使っていただきたい製品を提供しつづけていきます。
この道具は役に立つなと判断したら、検証し商品群に加えていきたいと考えています。