パートナーが育児参加してくれないと悩んでいるママもいることでしょう。育児は、母親がひとりで行うものではありません。夫婦2人の子どもなのですから、お互いに助け合って育児をすることはごく自然なことです。しかし、実際には男性が十分に育児参加できているとは限りません。今回は、パートナーの育児参加で悩んでいるママのために、パートナーを育児参加させる具体的な方法やおすすめのグッズなどを解説します。
- 男性の育児参加について
- 男性の育児参加のメリット
- パートナーに育児参加させる方法を伝授
- パートナーの育児参加にお勧めの育児グッズ
- パートナーの育児参加に関するよくある質問
この記事を読むことで、パートナーの育児参加にかんする詳しい知識やコツが身に付き、スムーズに促すことができるようになります。また、育児グッズの選び方もわかるので、購入するときに失敗しません。まずは、ひとつずつ内容を確かめながら読み進めてみましょう。とても役に立つので、ぜひ参考にしてくださいね。
男性の育児参加について
最初に、男性の育児参加についての基本を学びましょう。育児参加が増えた理由・現状や傾向など、詳しく解説します。
男性の育児参加の歴史を学ぼう
日本では江戸時代までは男性も含めて老若男女がみんなで子どもを育てる社会になっていました。その後明治憲法下で家長制度が明文化され、ひと昔前まで「男性が労働、女性が家事・育児を分担する」という考えが主流でした。戦後、男女平等の思想が広まってもなお、育児は女性が主体であることには違いなかったのです。
男性がふたたび積極的に育児に参加するようになったのは、ごく最近と言えます。現在は、男性の育児休暇取得を推進する会社が増えており、男性が育児参加しやすい体制が整いつつあるのは事実です。しかし、男性が育児参加に積極的な欧米諸国などと比べると、日本の男性の育児参加は十分であるとは言えません。
男性の育児参加が増えた理由
男性の育児参加が増えた主な理由は以下のとおりです。
- 夫婦共働きが増えた
- 育児を女性だけに任せるのはよくないという社会風潮
- 男性でも育児休暇が取得可能になった
- 男性の育児参加への意識が高まった
出産後、女性は家事・育児に専念するものという考えはもはや古いものです。現在は、育児においても男女平等の考えが進んでいると言えます。
男性の生井参加の現状や傾向について
男性の育児参加の現状は、劇的な改善をしているとは言えません。男性でも育児休暇の取得が可能になったとはいえ、2015年度の育児休業取得率を見ると男性はわずか2.65%にとどまっています。制度は整っていても実際に取得をする人は少ないのが現状です。
男性の育児参加のメリット
男性の育児参加には、大きなメリットがあります。具体的にどんなものがあるか学びましょう。また、実際とのギャップやデメリットも知っておくことも大切です。
男性の育児参加にはどんなメリットがある?
男性が育児参加をすると以下のようなメリットがあります。
- 妻の育児負担が減る
- 子どもの知能が高まる
- 子どもの身体能力が高まる
- 子どもの精神が安定する
男性の育児参加の必要性や重要性
男性が育児参加することは、とても重要です。妊娠・出産は、女性だけにしかできません。しかし、育児は男女両方で行うことができるのです。「育児は女性のもの」と考えてまったく手を貸さないのは論外でしょう。そもそも、子どもは夫婦2人のものであり、男性も父親として参加するのは当然と言えます。また、子どもの心身の発達を促すためにも男性の育児参加は必要性が高いと言えるでしょう。
実際のところは? 妻の本音
育児参加はしてほしくても、何かとストレスに感じる妻も少なくありません。たとえば、以下のような点です。
- 子どもと遊ぶなどの「キレイな育児」しかやってくれない
- 育児中でも結局夫のごはんを用意するのが面倒
- 育児のやり方が妻と違っていてイライラする
- 子どもが泣いても夫は寝ているだけで腹が立つ
- 妻が体調不良でも育児参加してくれない
夫はどうしても「育児を手伝っている」という考えが頭から抜けないものです。妻からすればストレスに感じることが多いのもうなずけます。
男性の育児参加のデメリットを知ろう
男性の育児参加にも、以下のようなデメリットがあります。男性主体で育児をする(育児休暇を取得する)場合は、勤務先の理解度が重要なポイントと言えるでしょう。
▪ 子育ての価値観の違いから夫婦がすれ違う
▪ 夫が家にいることで妻のストレスになる
▪ 夫が育児休暇を取得すると世帯収入が減る
▪ 夫が育児休暇を取得することで出世に影響が出やすい
男性パートナーに育児参加させる方法!
夫に育児参加させるためには、いくつかのコツがあります。具体的にどんな方法がいいのか、詳しく学びましょう。
育児参加に対する男性の本音を知ろう
パートナーは育児参加についてどう思っているのでしょうか。本音としては、以下の内容が多く聞かれます。
▪ 育児参加はしたくてもどうしたらいいかわからない
▪ 仕事が忙しくて時間が無くてできない
▪ 育児参加しても評価してもらえないのが嫌だ
▪ 妻が育児休暇中なら夫が参加する必要が無い
パートナーの立場や本音も理解する必要もありそうです。相互理解というやつですね。
パートナーに育児参加をしてほしいのならうまく誘導すると効果があるかもしれません。
男性パートナーに育児参加させるためにはどうするのがよさそうか
パートナーに育児参加させるためには,以下のことを心がけてみてはいかがでしょう。
- 子どもがかわいくてたまらない存在だということを常に問う(「うちの子ってほんとにかわいいよねー」)
- 自分の子どもであることの自覚を促す(「あなたに似て○○だね」)
- 子どもの成長には男性の視点も必要であることを知ってもらう
- パートナーによって助かったときには、その都度感謝の言葉を口にする
パートナーに育児参加させるためには、「やってもらうのは当然」という態度を出さないことがポイントです。妊娠中ずっとお腹(なか)に子どもを宿していた女性より、男性の方が子どもとのかかわりが薄く実感もないのは仕方がありません。
特に出産直後は「何をしていいかわからない」という声を聞きます。直接赤ちゃんに関わらないことでも,これをしてほしいなどと具体的に指示をだすと気付くこともあるそうです。(詳細は後述)
男性パートナーに育児参加させるコツを解説
パートナーから進んで育児参加をしてもらうには、いくつかのコツがあります。主なものについて、それぞれ具体的に解説しましょう。
具体的に指示・お願いする
育児参加をしたくても、何をしていいのかよくわからないという男性も多いものです。また、女性(母親)がどれほど体力を削られたいへんな思いをしているか見えてこないので普段通りという方もいます。
そのため、具体的にやってほしいことを指示する方法も効果的です。お風呂に入れてほしい、散歩に連れていってほしい,ほ乳瓶を洗ってほしいなどと具体的にお願いしてみましょう。やるべきことがわかり、自分にできそうなものであれば受け入れてくれるはずです。
育児グッズや道具をそろえる
今は便利な育児グッズや道具が多くあります。男性が使いやすい育児グッズを揃(そろ)えることで、楽しく育児参加してくれることでしょう。実際にグッズを選ぶときは、パートナーに選んでもらうのも手です。
男性はうんちくがたくさんある商品に興味をもつ傾向があります。(当北極しろくま堂製品も物理や心理などの話題と絡めて説明するとけっこう真剣に聞いてくださいます。)
育児グッズ専門ショップには、育児を楽しくできる優秀なグッズがたくさんあります。
その他の方法
パートナーの友人・両親などに、それとなく育児参加について助言してもらうという方法もあります。男性でも育児参加をする時代なのだ、ということ周囲から言われるとやる気になる方も多いものです。
ただし、あくまでも自然に助言してもらってください。義務感を強調すると失敗に終わるので注意しましょう。
男性パートナーが育児参加するときの注意点
特に初めての子どもの場合は、パートナーも育児参加に対する不安が大きいものです。最初から多くを望まず、少しずつやってほしいことを覚えてもらいましょう。子どもの安全に問題が無ければ、多少やり方が違っていても目をつぶることも大切です。妻が気持ちをおおらかに持つことが、夫の育児参加を促すための大きなポイントであることを理解してください。(洗濯物の干し方が多少違っても気にしない!)
男性の育児参加にお勧めの育児グッズ
夫の育児参加を促すためには、育児グッズを活用することをおすすめします。男性用の育児グッズの選び方やおすすめポイントなど、詳しく解説しましょう。
男性用の育児グッズが増えている
最近は、育児グッズでも男性のものが増えています。理由は、男性の育児参加率が上昇しているからです。今までは、男性が使おうとしても、サイズや色が合わないなど何かと問題があったのも事実と言えます。しかし、実際に育児参加をする男性が増え、多くの声を反映した結果、男性用の育児グッズが充実してきたのです。
男性用育児グッズの選び方
男性用の育児グッズは、以下のポイントをチェックして選びましょう。
- サイズが体に合っているか(女性用サイズしかないものもある)
- 女性でも使えるか(兼用できるとラクですよね)
- 安全性が高い設計か
なお、散歩などに出かける場合は、だっこひもやスリングなどが活躍します。
リュックのような腰ベルト付きの抱っこ紐は基本的に原産国で選ぶとよいでしょう。当北極しろくま堂の製品のような布製抱っこ紐はサイズがないので共有できます。
室内で遊び相手となるのなら、ガラガラなどのおもちゃが役に立つでしょう。育児グッズの種類は、シチュエーションに合ったものを選びましょう。
抱っこ紐やスリングの選び方
育児グッズの中でも、抱っこ紐やスリングを活用する人が増えています。理由は、子どもを安全に抱えることができ、しかもスキンシップにもなるからです。子どもは、親との距離が近いほど安心して過ごすことができます。また、実際にだっこひもやスリングを使用した方が、落下事故などを防ぐこともでき、体への負担も少なくなるものです。へこおびやスリングをかっこよく使いこなしている男性はぱっと目をひきます。
男性(パパ)にお勧めのポイント
男性には、育児グッズを選ぶときに以下のポイントをおすすめします。
- 自分が使ってもいいと思えるデザインか,積極的に使ってみたいデザインか
- 体格に合っているか,装着して不快な部分はないか
男性が育児参加しにくい理由として、育児グッズが女性らしいデザインやサイズであることが挙げられます。体格に合わないのは論外としても、女性向けに作られたかわいらしい色合いやデザインでは、男性が使いたがらなくて当然です。男性用の育児グッズも、ファッションセンスのいいものを選んでください。
育児グッズの購入について
育児グッズの購入は、以下のポイントを満たす業者からの購入をおすすめします。
▪ 育児グッズを豊富に取り扱っている
▪ 育児グッズ選びに的確なアドバイスができる
▪ デザインや色のセンスがいい
▪ 品質と価格のバランスがいい
▪ 顧客からの口コミ評価がいい
なお、当北極しろくま堂でも、男性でも使用しやすい高品質な育児グッズを多数取り扱っています。だっこひもやスリングをはじめ、さまざまなグッズの中からお気に入りのものを探してみてください。
男性にお勧めの育児グッズの注意点
育児グッズを選ぶときに、価格が高ければいいものであるという考え方はやめましょう。価格が高いだけで使いにくいものを買うと失敗します。育児グッズは、子育てを助けるためのものであるという本質を見失わないでください。だっこひもやスリングなどを選ぶときには、価格と品質のバランスだけでなく、実際に使っている人の評価も参考にしましょう。同じように育児参加している男性の意見は、とても役に立つものです。
男性パートナー(夫・パパ)の育児参加に関するよくある質問
最後に、男性の育児参加にかんするよくある質問に回答します。
ほかの家庭ではどんな点に悩んでいるのか、参考にしてください。
Q.夫に「育児は妻の仕事だ」と言われてしまうのですが?
A. 依然として育児は女性が行うものだと考えている男性もいます。しかし、女性だけが子育てを行うことのデメリット・男性が育児参加することのメリットを知らない人も多いのです。まずは、根気よく男性が育児参加をすることの重要性を話してみましょう。ポイントは、子どもの教育に良いという点を強調することです。子どもに良い影響があるのなら参加しようという気持ちになってくれるように誘導しましょう。
Q. 残業や休日出勤続きの夫に育児参加させるのは気が引けるのですが?
A. 子育ては夫婦で行うのが望ましいことに違いありません。しかし、現実には育児参加したくても仕事が多忙で時間が無いという夫も多いのです。男性への過剰負担を避けるためには、無理に育児参加をしてもらわなくてもいいでしょう。もちろん、妻だけが育児をしろということではありません。
まずは、タイミングを見て負担の軽いものから依頼してみましょう。夫婦2人での子育てが大変なら、双方の親族にお願いしたりベビーシッターを利用したりすることも考えてみてください。
Q. 夫婦の育児方針の違いでストレスを感じます。どうしたらいいでしょうか?
A. パートナーに育児参加をしてもらうと、さまざまな点で方針の違いを感じることがあります。たとえば、子どもは屋外でのびのびと遊ばせる方がいいと考える場合と、まずは知能の発達を促すべきだと考える場合では、遊ばせ方ひとつとっても夫婦で食い違うものです。ストレスに感じるのは、自分の考えを夫にきちんと伝えて理解してもらっていないことが原因と言えます。まずは、お互いの考えを話して、育児方針のすり合わせをしましょう。
また、それぞれの方針が多様性を生み出すこともあります。上記の例でいえば,屋外で遊ぶのは主に父親の担当で、家の中でのお手伝いなどを含めた躾は母親の担当にするなど、方法はさまざまあります。さまざまな経験をすることが子どもの成長につながるので、その点を基本に考えて分担するという手段もあるでしょう。
Q. まだ妊娠中ですが、夫の育児不安を解消する方法はありますか?
A. 自治体などが開催している父親教室に参加してみるのもいい方法です(コロナ禍ではオンラインになっていることもあります)。保健師や保育士などが講師になり、育児のコツを教えてくれたり不安や悩みを聞いてくれたりします。父親同士が情報交換する場所としても、有意義と言えるでしょう。ママ友ならぬ、パパ友を作るための場所としてもおすすめです。
Q. おむつ交換をしてくれないのがストレスです!
A. 男性の中には、おむつ交換だけは絶対に嫌だと考えている人もいます。まずは、理由を聞いてみてください。臭(にお)いや汚れが気になるという場合は、マスクや薄いゴム手袋をはめてやってみてもらう方法があります。また、単にやり方がわからないという人もいるものです。妻が正しい方法をやってみせること・おむつ替えがうまくできたら感謝してほめることも試してみてください。
あと、おむつ交換は将来の介護生活にも経験として役立ちます。その点も話し合ってみてはいかがでしょうか。
まとめ
今回は、男性の育児参加について詳しく解説しました。子どもは母親だけが育てるものではありません。男性パートナーも子どもの父親であることを自覚し、育児参加することが大切です。しかし、中にはどんなことをすればいいのか、どこまで手伝っていいのかわからない男性も多いことでしょう。「昔は男におむつ替えなんてさせないものだ。」なんていわれても、たった150年間くらいの歴史しかありません。人類は700万年生きているのですから。(狩猟採集民では母親も狩猟に参加していたことが最近わかってきました。)
夫婦がお互いに気遣いながら育児をすることは、子どもにとってもいい影響を与えます。かけがえのない2人の子どもなのですから、夫婦2人で育児を進めましょう。
*この記事は2017年6月2日に公開したものを,2021年10月に加筆修正して再公開しました。